Capcom Cup 2019 LCQ&本戦振り返り/CC2019で起こった問題の数々/CPT2020情報

2019/12/13-15(日本時間12/14午前深夜~12/16昼)に開催されたCapcom Cup 2019(CC2019)、ララ&ポイズンを使用するアメリカのiDom選手が大方の予想を裏切り初優勝を遂げました。
ここではCC2019本戦とLast Chance Qualifier(LCQ:当日最終予選)を振り返ります。

Last Chance Qualifier

まさかの公式配信無しだったLCQ

Capcom Fighters JPなど公式配信予定にLCQが記載されていない段階で正直「?」ではありました。しかし、昨年のCCでも配信は行われており、何らかの形で見ることはできるだろうと誰もが思っていました。
しかし、それがまさか本当に“何らかの形”でしか見れないとは本当に思いませんでした。

FGCの力がLCQを救う

それは大会に参加するプレイヤーや関係者による個人の現地配信。
IRL(In Real Life) Streamerと英語では呼ばれ、スマホ/GoPro/ラップトップPCなどを使用してイベントの現地から直接映像配信を行う人たちを指します。
まず、個人やRed BullやUYUの機材&環境提供により、Twitch(ゲーム中心の配信プラットフォーム)での配信を行うことが直前でTwitterにinfoされました。
さらに、その個々の配信チャンネルをまとめるサイトや、まとめた上でいわゆる「多窓」で見ることができるURLの提供が活発に行われ、さらにさらにその存在を知らせるるリツイートが拡散されました。

x.com

もちろんIRL Streamerによる配信は公式によって統率されたものでなく、どの試合が誰のチャンネルにより配信されるかなど分かりません。それに、ゲーム画面を外から撮影するわけで画質や音声は決して優れたものでもありません。
しかし、配信者とその視聴者たちのコメントによってニーズは自然と判断され、出来る限りの「見たい試合」は押さえてくれたと思います。
配信クォリティの悪さよりも、事情を知る視聴者にとっては「よくぞ見せてくれた」という感謝が上回るものでした。

この一連の動きは、FGC(Fighting Game Community)でしか見られない力と言っても過言ではないでしょう。Communityと言っても組織や団体という形式的な意味ではなく、「格ゲー仲間」くらいの人と人のつながり、絆という意味です。
あえて胡散臭い感じで流れを喩えるなら、

「えっ、CCのLCQなのに配信ないんか!?」

「アホか、何やってんねん公式!」
(普通のイベントジャンルなら、ここで文句言って諦めて終わる)

「しゃあないな、誰か配信できないんか」

「俺、スマホでTwitch配信できるぜ」
「わいのGoPro使う?」
「機材なら提供するわ」
「だったらチャンネル情報まとめないと」
「Multi channel用意した方が見やすいでしょ」
「おい、公式の代わりにここで見られるらしいぞ」
「うわー、ダメかと思ったけどありがたや……」

「環境劣悪だけど、試合と選手が大事だしありがたくこれで楽しませてもらおう」

こんな感じでした。
文句を言いつつ無償で協力し合い何とか問題を解決し、自分たちの楽しめる場を作り上げていく精神。FGCの力を強く感じたのが、このLCQでした。

なお、上記に加えて可能性として予想できるのは、

・公式運営(カプコン&運営会社)がLCQ配信無しの事態の重さを直前に悟る

・各方面に頭を下げながら協力を依頼(何となくカプコンの小野さんをイメージ)

・個人だけでなくRed BullやUYUも手を挙げる

という流れもあったかもしれません。対企業間ならば、後日に感謝や謝罪の意で経費の支払いもあるかも(あくまで予想です)。

下記はLCQに関するCapcomの小野さんの謝罪Tweetです。

格ゲーイベントの配信版権という観点で言えば、カプコンは現地での個人配信を昔から許容しています。ましてや今回のような事態なら制限するはずも無かったでしょう。

なお、Capcom Fighters JPでは急遽IRL Streamerの配信をミラーする形で、なない&ハメコ。氏の実況解説でTOP24から配信が行われました。
これは状況を見て日本側の公式スタッフが動いて環境を用意し、実況解説の二人も出演依頼を受託したと見えます。配信中のコメントからもうかがえましたが、この二人もマインドはFGC的でした。

そして、FGCの力はもう一つの結果を出します。

LCQの勝者は「Kachitagari│MOKE」

このストーリーはすでに多く語られています。
TOPANGA配信「勝ちたがりTV」出演者であるもけ選手が、LCQ出場のためのクラウドファンディングを募り金額目標を達成して出場。そして、そのLCQで優勝、CC本戦出場を成し遂げます。

もけ選手の優勝までの道のりを対戦相手と勝敗数でたどると、

Satchmo 2-0
ヤス 2-1
ぷげら 2-1
MOV 2-0
Lexx 2-0
Commander Jesse 3-0
水派 3-2
Commnader Jesse(L) 3-0

と、243名のトーナメントを8勝(1回戦はシード)0敗で勝ち上がりました。
この結果だけ見ると、日本人プレイヤーに苦戦し、海外プレイヤーを圧倒できたとなります。

実際、日本人プレイヤーとの戦いは紙一重だったものが多く、特に水派コーリンとの戦いはどちらが勝ってもおかしくないものでした。

一方、海外プレイヤーではダルシム使いのCommnader JesseがこのLCQのキープレイヤーでした。
Commnader Jesse選手の道のりは

SRK 2-0
hanaenae 2-0
Stupendous 2-0
ハイタニ 2-0
Xiaohai 2-0
Trashbox 2-1
moke 0-3 (to Loosers)
ユージ 3-1
水派 3-1
moke 0-3(eliminated)

と、多くの日本人強豪選手を破り、負けたのはもけ選手だけです。
以前からCPTでは日本人選手にとってダルシム使いは鬼門であり、その原因は日本の主要プロ選手にダルシム使いがいないことが言われていました。

ここでSFVシーンに詳しい人は一人のプレイヤーを想起します。
“島根の仙人”、YHC-餅さん。
餅さんは、もけ選手勝利後にこうつぶやきました。

もけ選手のLCQに賭けた心情、日本が誇る島根の仙人の存在感が分かります。
若きプレイヤーに島根の仙人が稽古を付けて勝利に導く、という餅さんの仙人感がさらに増すストーリーとなりました。

なお、YHC-餅さんは2019/12/22~23に開催される「Red Bull KUMITE JAPAN」にも参加選手として選ばれました。

https://www.redbull.com/jp-ja/red-bull-kumite-2019-player-introduction-jp-part3

ぜひ、仙人の美技を確かめてみてください。

こういった「ファンが出場を後押し、国内プレイヤーが練習相手となり大会で勝利する」という結果は、まさにFGCが成しえた結果です。
もちろん今回のケースはその最たる例であり、他にもこういったFGCの動きは多くあるのでその点は誤解なく。国内大会が開催され、その優勝者は海外大会の出場を支援されるという取り組みもすでに行われています。

CC本戦

それではいよいよCPTベスト32プレイヤーによるCC本戦です。
1回戦、winners2回戦……、といった段階ごとに追っていきます。

試合の動画はTwitchのCapcom Fighters JPをクリップする形で引用させていただいており、問題が生じましたら削除させていただきます。

また、試合結果の一覧としてはsmash.ggで確認できます。

1回戦「波乱の予感」

“予感”と言ってますが、後付け的な面もあり「そう言えばすでにその予兆はあったな」という印象です。

1回戦の勝敗をまずは並べてみましょう。
「1P セット数 2P」で記載しています。太字が勝者で、左が勝者/右が敗者ではありません。

Punk 3-0 Zenith
Machabo 3-1 Angry Bird
Problem-X 3-2 Daigo
Momochi 3-0 NL
Fuudo 3-2 Luffy
Xian 3-1 Dogura
HotDog29 3-1 JB
Oil King 3-0 Nemo
Bonchan 2-3 Smug
gachikun 1-3 John Takeuchi
Big Bird 3-2 801 Strider
Phenom 3-1 Sako
Tokido 3-1 Kichipa-mu
Mago 3-2 moke
Fujimura 2-3 iDom
Nuckle Du 1-3 Infexious

アップセットと言えるのは、ボンちゃん選手、藤村選手のLoosers行きでしょうか。
ボンちゃん選手はGに、藤村選手はララに、ともに日本では対策しにくい爆発力を持つキャラクターに敗れたと言えます。
ウメハラ選手のProblem-X戦はフルラウンドの接戦ながら惜しくもウメハラ選手が敗れました。

ときどvsキチパーム戦は、アーマー状態「アイアンマッスル」への対処、ダブルラリアットに効く飛び、相手のEXゲージを確認した防御選択、百鬼を繰り出す読みなど、ときど選手の対策が上回りました。起き攻めからの打撃or投げというザンギエフにとっての大チャンスをなかなか作らせなかった、というのも大きいです。
試合後、本気で悔しがるキチパーム選手と両手を挙げるときど選手も印象的でした。

個人的に1回戦のベストマッチは、ふ~ど vs Luffy戦、ミカ同士のミラーマッチです。
一方、ふ~ど vs Luffy戦は、ふ~ど選手が2-0で先行するもLuffy選手が2-2に、さらに最終セットも1ラウンド取られリーチをかけられる体力3割まで追い込まれる展開。しかし、そこをCAと追撃で何とか取り返し、最終ラウンドへ。

最後も互いに体力1割ほどの状態から、ふ~ど選手がレインボータイフーンで奇しくも勝利。日本で号泣応援配信をする倉持夫人の思いが届いたのか、「結婚バフ vs 背水ジャイスイ野郎」はふ~ど選手の辛勝となりました。

この後の流れとして注目すべきは、藤村選手を破ったのが優勝したiDom選手という点。日本ではiDom選手が使用するララ使いは少なく対策は難しくて、たまたまララの攻撃力がハマった、という見方ができたでしょう。
しかし、この時点で「あの藤村をララ使いのiDomが破った」ことの重大性に気付かなければいけなかったかもしれません。

他にも敗れはしましたが801 Strider選手が見せた、驚異的なしゃがみ小パンチによるラシードのEXワール対策やスピンキックによる対空は見事でした。

Winners 2回戦「Punk史上最高のPunkとマゴさん優勝」

まずは結果から。

Punk 3-0 Machabo
Problem-X 3-0 Momochi
Fuudo 3-1 Xian
Hotdog29 0-3 Oil King
Smug 2-3 John Takeuchi
Big Bird 1-3 Phenom
Tokido 2-3 Mago
iDom 3-2 Infexious

Punk vs まちゃぼー戦は、まちゃぼー選手がPunk選手にどんな戦いを見せるのかという戦前の見方でした。
しかし、ふたを開ければ3-0でPunk選手の完勝。この時点で「ああ、今日のPunkヤバいわ。格ゲー星人だわ」とため息を吐きました。

そして見どころとしては、ときど vs マゴのTOPANGA聖戦がCCの大舞台で実現したこと。

ときど選手のバチーンからの握手で始まり、マゴ選手のその弾かれた手による力強いガッツボーズで終わる激闘。フルセットフルラウンド、互いの手の内を知り尽くしている中で「読み合いという会話」が成立していました。

マゴさん、2回戦にして優勝しました。

他にはももち選手が、Problem-X選手相手に「2回戦で負ける」とある意味で期待を裏切らない結果も。
iDom vs Infexious戦は日本の上位ではなかなか見られないララvs 是空。クラップを絡めたコンボで一気に試合をひっくり返すiDom選手、理屈を超えたトリッキーな動きをするInfexious選手の戦いは見ごたえがありました。
そして、Phenom選手が優勝候補の一人と目されたBig Birdラシードをかりんで破ったのも、後の活躍の予兆となりました。

Loosers1回戦「えっ、またかよ!?」

応援する身としてネガティブなことは控えたいのですが、ビックリしました。
それは「CCのLoosersが未配信で裏で同時進行してる!?」と。
昨年のCCでは配信にはメイン&サブと2つのチャンネルが用意され、同時進行の場合も両方の試合を視聴できました。日本語公式配信上でも、状況に応じて試合をチョイスして実況解説していたのを覚えています。

それなのに、Zenith vs Angry Bird/Luffy vs どぐら/801 Strider vs サコの3戦は配信無しで、挙句に大会進行途中のCMタイムに選手名のオーバーレイ無しでダイジェストが流される始末。まさか、LCQ未配信で指摘を受けたであろう翌日に、同じ轍を踏んでくるとは「さすがに?」でした。

おそらくクレームがあったのでしょう、残りの5戦は何とか配信されました。また未配信の3戦も、LCQと同様に急遽個人配信も行われていました。現地会場の模様はさすがに分かりませんが、この短い間にさまざまな交渉や対応があったことでしょう。

結果的に同日予定されていたSFL日米決勝は、現地で日付をまたいだ模様。プランとしてはLoosers同時進行でタイムスケジュールを組んでいたのでしょうが、配信台&チャンネルを2つ用意しなかったことで全試合が1台進行になった結果です。

通常のCPT大会ならば、Loosersが配信無しでトーナメントが煮詰まってきたら配信台へ、というのは当たり前で全台配信は物理的に無理です。しかし、それでも壇上を決めるLoosers TOP 8を決める試合などは配信されることがほとんどです。
しかし、これはCapcom Cup。およそ8か月のCPTを転戦し、技術・労力・金銭を費やして勝ち取ったベスト32名の選手による決勝大会。従来は配信していたのにアナウンスも無しの配信無し裏進行はあり得ませんでした。

LCQもそうですが、配信を見る視聴者だけの不便さではありません。選手の知名度やスポンサーの露出に関わる事態です。スポンサードした選手が不公平に画面に登場しなかった時、そのスポンサー会社は何を思うか、想像に難くありません。

以上、どうしても知っておいて欲しいので前置きが長くなりました。
では、試合結果です。

Zenith 1-3 Angry Bird
Daigo 3-2 NL
Luffy 3-0 Dogura
JB 0-3 Nemo
Bonchan 0-3 gachikun
801 strider 0-3 Sako
Kichipa-mu 2-3 moke
Fujimura 2-3 KnuckleDu

ボンちゃん vs ガチくんの日本人対決はガチくんが勝ち上がり、ボンちゃん選手はまさかの敗退でした。
また、藤村選手もKnuckleDu選手に敗れ、優勝候補の日本人2選手がここで姿を消します。まさにこれがトーナメントという組み合わせの妙が出る怖さと言えるでしょう。

Looser2回戦のベストマッチは、キチパーム vs もけ戦を挙げさせてもらいます。
この試合の濃密さを語るには、すべてのラウンド結果を並べるのが分かりやすいです。
「T」はタイムアップ、「V」は通常&通常必殺技、「EX」はEX必殺技、「CA」はクリティカルアーツによる勝利、()内は費やした試合時間です。

※SFVのCPTルールは1ラウンド99秒で、時間切れの場合は残り体力が多い方の勝ちです。削り等で生まれる白ゲージ(Recovarialbe damage)は、時間切れの場合は実ダメージとして扱われます。

1set:Kichipa-mu WIN
Kichi「V(35秒)」「EX(26秒)」
moke「CA(85秒)」
2set:moke WIN
Kichi「V(57秒)」
moke「V(85秒)」「T(99秒)※CA中タイムアップ」
3set:moke WIN
moke「T(99秒)」「T(99秒)」
4set:Kichipa-mu WIN
Kichi「V(66秒)」「EX(51秒)」
moke「EX(67秒)」
5set:moke WIN
Kichi「V(76秒)」
moke「V(55秒)」「T(99秒)」

フルセットフルラウンドで計15ラウンド、平均ラウンド時間66.6秒、試合開始から終了まで21分超のまさに死闘。他にはない「T」の多さがそれを物語っています。

1セット目こそキチパーム選手の即殺が目立ちましたが、2セット目以降はもけ選手の勝ちプランが見えてきます。

体力有利を奪ったら距離を調整してリスクを冒さず、たとえ有利な展開があっても倒しきれない限りはゲージを温存、攻撃自体を抑えて相手のゲージを貯めさせない、タイムアップ勝利を確実にするためにゲージを使用、という対ザンギエフ戦に有効なクレバーな動きです。

キチパーム選手もこういった「冷たい」動きをされるのはザンギエフを使う以上は慣れていましたが、タイムアップ間近で逆転の技を強スクリュードライバーにしたが故にダメージが行き届く前にタイムアップ(その他の打撃技等なら勝ってた)という痛恨のミスも。

上記のクリップは、キチパーム選手を下げるわけではありませんが、この試合を象徴するシーンです。

その後も接戦が続きますが、プランを長時間の試合で徹底したもけ選手の胆力がわずかに上回ります。
EVOのスポットスポンサードからまさに実力でCC出場を勝ち取ったキチパーム選手、前述の通りファンの後押しでLCQを勝ち取ったもけ選手、二人の熱い戦いはもけ選手に軍配が上がりました。

Loosers2回戦「接戦、そして大逆転」

Loosersに落ちると、ダブルイリミネーション方式(2回負けたら敗退)ゆえに試合数が多くなります。
ここで負けたら終わり、という緊張感が選手を奮い立たせるのかLoosers2回戦は以下のような結果となりました。

Infexious 3-2 Angry Bird
Tokido 3-2 Daigo
Big Bird 2-3 Luffy
Smug 1-3 Nemo
Hotdog29 3-2 gachikun
Xian 3-2 sako
Momochi 2-3 moke
Machabo 3-2 NuckleDu

8試合中7試合がフルセット、いかに上位選手たちの力が拮抗しているかが感じられます。

そんな中で目立つポイントに、ももちvsもけ戦がありました。まさかの直近で追加された新キャラクター「ルシア」を使用!
これは予測ですが、ももち選手の持ちキャラの一人であるケンと似た性質であり、対ラシード戦に有効であると懐に忍んでいたのかもしれません。

結果はもけ選手が押し切りましたが、「1回戦で勝ち2回戦は負ける」「CCで意外性のあるキャラを出す」というももち選手ならではのCCを見ることができました。

そしてここで挙げたい試合は「背水ジャイスイ野郎」(勝手に命名)ことLuffy選手のBig Bird戦です(もちろん、ときどvsウメハラ戦が素晴らしいのは間違いないのですが)。
なぜかラウンドやセットで追い込まれたり、体力わずかになってからジャイアントスイングで捲る欧州の海賊王、Luffyの真骨頂がこの試合です。

なんで勝ってるの!? もはや本人ですらなぜ勝ってるのか分からないという表情すら見せる逆転劇。優勝候補のBig Birdを敗退させる活躍でした。

この段階で敗退となったのが、Angry Bird/ウメハラ/Big Bird/Smug/ガチくん/サコ/ももち/NuckleDu選手。いくらCCとは言え、ここでこれだけの強豪が落ちるのは意外でした。

Winners3回戦「今日、誰が強いか。」

CCに出場する選手が強いのは当たり前で、この段階まで来ると「今日この大会で強いのは誰なのか」が見えてきます。

Punk 3-2 Problem-X
Fuudo 3-0 Oil King
John Takeuchi 0-3 Phenom
Mago 0-3 iDom

格ゲー星人PunkをProblem-Xを以てしても倒せない現実に、人類は絶望し“the α”の地球征服を皆が覚悟しました(脚色アリ)。
他の3試合は、いずれも3-0で同じ組み合わせがもう一度来ても無理、と感じさせる展開。
この時点でWinnersに残る日本人はふ~ど選手のみ、われらがマゴさんもiDom選手に処理、いやガン処理されました。

減りすぎです……。
気付くべきだったんですね。Punk選手を倒す最後の希望は、Problem-X選手でもときど選手でもなく、Punk選手の最も身近にいる存在であったということに。

Loosers3~4回戦「日本人選手たちの底力」

試合数が絞られてきますので、ここは少しまとめます。
Loosers3回戦、4回戦の結果を並べますと、

(Loosers Round 3)
Infexious 1-3 Tokido
Luffy 0-3 Nemo
Hotdog29 0-3 Xian
moke 1-3 Machabo
(Loosers Round 4)
Oil King 0-3 Tokido
Problem-X 0-3 Nemo
Mago 3-2 Xian
John Takeuchi 1-3 Machabo

ここで見えるのは、ときど/ネモ/まちゃぼー/マゴ選手と日本人の強豪選手が生き残った点です。

Problem-X選手に3-0を決めたネモ選手、InfexiousやOil Kingと言った海外の曲者を力でねじ伏せたときど選手はさすがでした。
そしてマゴさんは、明らかに負けてました。それでも勝ってしまいました。

ただ、ここで推したいのはまちゃぼー選手の日本人ラシード2体斬り。
ネカリが見せる「後ろ投げからの有利状態」からのコマ投げ/通常投げ/打撃といった択で、相手を地獄に落とす“闇のまちゃぼー”が姿を現します。

このシーンなどどう見ても笑ってしまいますが、読み合いをことごとくまちゃぼー選手が制した結果と言えるでしょう。
自動で“出てしまう”対空、ミスター最適解、と呼ばれていますが、野試合と当日の試合を通した駆け引きを踏まえてのネカリを使用するがゆえの大胆な択や急襲こそ、彼が格ゲーで長年培ってきた強さと言えるのではないでしょうか。


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