第9回TOPANGAチャリティーカップ ボランティアレポート

大会進行中

自分は主に審判業務を担当していたので、それ中心になることをご了承ください。 その中で直面したトラブルや問題を挙げていきます。

①ボランティアの誰がどの机を担当するか決まっていなかった ②予選リーグの対戦表(兼、勝敗記入用紙)が配られ、1・2戦目と配信台試合予定が記入されていたが、それ以降の試合順は決められていなかった ③配信台の試合をどういう段取りで指示するか説明がなかった ④自分の担当が、機材不調で4チーム総当たり×2グループを1台進行せざるを得なくなった ⑤ゲーミングボックスでのヘッドホン使用のニーズに応えられないケースがあった(前述済) ⑥相手チームの使用キャラに関する質問に答えられなかった ⑦どこで公式試合、どこで野試合が行われているか分からず混乱した ⑧公式試合の近くで撤収作業を行い、荷物を倒して試合を邪魔するトラブルがあった ⑨野試合台が無いのか、何度も質問されて返答に困った ⑩ヘッドホンが無造作に床に置かれるなど配慮に欠ける状況が見受けられた ⑪勝利報告の方法が決められていなかった ⑫ベスト64の試合場所指定を豊田氏が一つ一つテーブルに行ってのマイク呼び出しで行った

他にも多くありそうですが、自分が当日の現場や後日のSNSで把握したのは以上になります。 では、詳細と対策について述べていきます。

大会進行の問題

①担当

決められていなかったので、何となくボランティアの各人が雰囲気で机を選んで担当していました。マジかよ……と言われるかもしれませんが“雰囲気”です。 自分はその雰囲気の結果で誰も選ばなかったゾーンを選びました。そこはかなりツライ状況だったのですが、それは後述します。

担当やシフトが決められていないので、場所によって2テーブル掛け持ちも多発。休憩が取れず出ずっぱりというボランティアもいたに違いありません。 個別にスタッフが他のボランティアスタッフを連れて「交代して休憩してください」と言われましたが、自分も交代するボランティアの方も審判未経験、混乱した状況でうかつに離れられませんでした。

②試合順

「最後の試合を2勝vs2敗にはできればしないであげて」という説明があったのは覚えています。しかし、まさか3試合目以降の試合順をいきなりその場で決めなければならないとは思いもしませんでした。

現場に立っていて、待ってくれている選手たちの「まだかな、でも大変そうだしチャリティーだし文句を言ってもな」という思いがひしひしと伝わってきて申し訳ない思いでいっぱいの状況です。

そして、自分の担当テーブルは2グループを1台進行という苦境に立たされていたので、咄嗟に考えた結果「異なるグループの試合を交互に、まだ試合をしていないチームを優先して行う」と少しでもチームの待ち時間を少なくする方針で試合順を決めていきました。 これには待ってくれているチームの皆さんのアドバイスや協力がありました。本当に感謝しかありません。

③配信台

配信台に指定された試合は、どのタイミングでステージに行ってもらえばいいか分かりませんでした。その場を離れるのは怖いのですが、どうにもならなくてステージにいるスタッフに何度も聞きに行った覚えがあります。

あと少し残念だったことがありました。とあるスタッフの方が来て配信台の状況を聞いてきた覚えがあるのですが、今の自分が担当しているグループの状況を説明しても要領を得ず「もういいです」と立ち去られたのはショックでした。あの状況で露骨に無能扱いされるのはさすがに怒りを禁じえません(私事ですが、どうしてもこれだけは隠しきれずゴメンね)。

④2グループを1台進行

前半はPS4のアップデート待ち、後半は原因不明のゲーミングボックスの不調、とほぼ全てを1台進行で行いました。そして、隣のグループの公式試合が終わったら、そこを使わせてもらうという方法を取りました。

アップデートに関しては前述のとおりです。トラブルが起きたのはそのアップデートが完了したPS4が届いて接続したら、周囲を含めて電源が落ちるという事態が起きたのです。

周囲の選手達のアドバイスもあり、電圧の問題かもしれないからこの島はあくまでゲーミングボックスの1台進行でいこうと判断しました。 しかし、後にゲーミングボックスも電源が落ちるなどの不調があったらしく、自分がようやく休憩をいただいて戻ったら、このグループの試合は会場外のロビースペースに作られた少数の野試合台で行われていました。

これらのトラブルに関しては、真相は分かりません。「電圧が足りていない」「養生されてない電源ケーブルに誰かが引っかかってソケットが抜けた」「ゲーミングボックスの電源が上手く入らない」などいくつもの話が入ってきて、原因究明&改善よりもその場でできるリスク回避しか選べなかったというのが実情です。

⑤ゲーミングボックスでヘッドホン

前述したとおりです。振り返ると多くの選手達が我慢してくれていたのだと思います。

⑥使用キャラに関する質問

相手チームの選手の使用キャラが、想定したものでなかったことに対する質問でした。 ルールでは当日朝の受付時にのみキャラ変更可能で、以降はキャラ固定です。 ならば、その当日朝の受付で変更があったかが分かればいいわけです。 しかし、その変更状況は審判には一切伝えられていませんので答えようがないのです。

「ではチェックもできない状況で何のために受付で変更を受け付けてるの?」とシステムの無意味さを問われれば、これは推測ですが「選手たちの善意に任せています」としか答えるしかないでしょう。

チャリティーの精神ではそれもアリかもしれませんが、チームや選手はグループ分けされてからキャラ対策を考えていても不思議ではありません。 ならば、登録時からのキャラ変更不可にするという考えもありますが、大型アップデート直後にキャラ変更不可というのも厳しいのも理解できます。

⑦公式試合と野試合の混在

それ自体はどの公式大会でもあることでしょう。空いた台を野試合で使わせてもらう、というのは良くある風景だと思います。

ただ、あまりに混乱した状況だったので時に公式試合を野試合と間違えることがありました。野試合をしている台を公式試合で使わせてもらおうと声をかけたら、実は公式試合だったということも。 特にベスト64以降は、どこで何の試合が行われているか情報共有がされず各ブロックで判断しながら進めていた状況です。

⑧公式試合の横で撤収作業

とあるチームの方が試合後に自分に訴えてこられました。

大将同士の最終戦の横でボランティアorスタッフが撤収作業を始めて、試合中に荷物が倒れ込んでくるという事故があったと。

前述の公式試合と野試合の混在、進行が遅れて撤収を進めなければならない状況、常時混乱した中で選手や試合に対する配慮の欠如、などが推測されます。

⑨野試合台の不足

これは伝聞と推測になりますが、当初は野試合台に回す予定のRed Bullゲーミングボックスを公式試合で使用せざるを得ず、結果的に野試合台はロビーに2台だけ(それも予選進行中は公式試合に使用)という状況ゆえだったと思います。

ここで述べておきたいのは、来場された人たちは本当に野試合台を求めているということ。どれだけ「野試合台はどこですか?」「この台を野試合に使っていいですか?」と聞かれたことでしょう。

理想は常設の野試合台があって、さらに予選終了後に空く台も野試合用にすること。それができない状況になってしまっていたということになります。

⑩ヘッドホンが床に置かれていた

乱暴な言い方をすれば「それどころではなかった」という思いです。 各ボランティアにそういった配慮をする余裕ありませんでした申し訳ありません、と詫びるしかありません。

⑪勝利報告の方法

予選グループの結果、ベスト64以降のトーナメントの結果を、誰にどう報告するか決まっていませんでした。「予選抜けしたチームはベスト64の組み合わせ抽選を受けに来てください」というマイクだけがあった状況です。

報告方法としては「ボランティア審判がステージにいるスタッフに報告する」「勝利チームが審判orステージにいるスタッフに報告する」など普通に考えられます。

しかし、その方法が徹底されていなかったので「勝利チームの報告が無いのでCHALLONGEが埋められない」「勝利チームはベスト64の組み合わせ抽選を受けに行くので、審判が勝利報告に行く必要はない(結果、勝利チームが抽選を受けに行っていなくて勝利チームが不明)」という齟齬が生まれ、時間ロスと選手・スタッフ・ボランティアのストレスが生まれたはずです。

⑫先鋒ブラインドピックの不徹底

各ボランティアによって先鋒が誰かを事前に聞くルールが不徹底でした。 自白すると、自分も試合を回すのが精一杯でほとんど聞くのを失念していました。 チーム側から「先鋒ブラインドピックしたい」と言われてハッと気が付くという有り様でした。

⑬マイクによるベスト64台指定

これを「にゃん師有能だな」「豊田さん一人で仕切ってスゲーな」という声やコメントを見聞きして、それは絶対に違うので個人名を挙げるのは申し訳ないのですが書かせてもらいます。

これが行われた際、フロアにいるボランティアも選手もどこにいればいいか分からず立ち尽くしたまま、ただ豊田氏のマイクを待つしかありませんでした。 これは動かない台や不足した台もある混乱した状況で、もはやそうするしか道が無かった結果と推測します。つまり、こうなってしまったこと自体がすでに失敗なのです。

組織のトップが陣頭に立つことを美化する風潮がよくありますが、それは組織のあるべき姿ではありません。他のスタッフやボランティアが何をすべきか分からず無力化しているならばなおさらです。 豊田氏自身が有能なのは間違いありません。しかし、プランや思考が豊田氏の頭の中にしか無く、共有も分担もされなかったのは明らかな失敗です。

これを「他の人間が察して判断できない指示待ちなのが問題」というのは違います。人間の思考はアウトプットされないと他人には伝わらないし、組織の一部である人間は混乱を招く無責任な行動は取れないのです。

大会進行の問題に対する対策

ここまで来るとおおよそ「どうすべきだったか」は分かってきますが、一つ一つ紐解いていきましょう。

①担当

事前にボランティア名簿を固めて、業務と時間帯を分けてシフトを組む。 と、正解はおのずと導かれます。

事前に名簿を固めて割り振るためには、準備できる期間を確保するために今よりボランティア締め切りを早める必要があるでしょう。 そうすると、ボランティアを数多くぎりぎりまで集めたいという意図と相反します。 しかし直前までボランティアを募集すると、誰がどの業務に適しているかまでの判断はつきにくくなります。

どこまでを決めて、どこから冗長性を持たせるか、が課題です。 それには各作業にどれだけの人数と時間が必要か、という工数の考え方を用いるべきなのですが、それもどこまできっちりやるかという問題に直面します。

せめて決めておきたいのは、以下くらいのプランです。

・募集時の情報収集 募集段階で希望に添えるわけでは無いという前提で「格ゲー大会やイベントのスタッフ経験の有無」「その内容」「希望するスタッフ業務」「業務可能な時間帯」は聞いておき、予定業務を割り振る。
・業務割り振り 当日へのリマインドを兼ねて、お願いする業務や業務内容のマニュアル(担当外も含めて)をメールしておきます。 今回のボランティアで最もストレスだったのは「予想外の業務をさせられた」「何をすべきか分からないことが多すぎた」です。
・時間帯ごとの業務分担 :全員で設営 開場~予選:受付3割、審判6割くらいで分けて、その中で休憩ローテーション。それぞれ連絡役やイレギュラー対応のフリーを若干名決めておく 決勝:受付1割、審判6割、フリー2割くらい。フリーは連絡役/場内清掃/野試合台管理など。 撤収:空いた人間から撤収に移行。

完璧な工数表を作っても、当日欠席や不慮の事態による工数欠如はありえますし、むしろ考慮すべきです。イレギュラーな事態に対応できる冗長性は必要です。 しかし、何も定まっていない状態で直面するのと、プランを持っていた上で直面するのでは対応力が違います。 なので、上記くらいの割り振りはせめて決めておいた方がいいと考えます。

②試合順

時間が空いてしまうチームをなるべく作らない、最終戦を消化試合にしない、という方針から2試合目までしか順番を定めず冗長性を持たせるのは理解できます。

ただ、これは審判業務の上級編ではないかと。

むしろ試合順をきっちり決めておけば、チームは「次の試合はだいたい○○分後か」「この試合の次なので待機しておこう」と行動しやすく、審判も戸惑いはありません。 その上で、チーム不在、機材不調、突発の配信台指定に対応する方がいいでしょう。

リーグ総当たり表にあらかじめチーム空き時間の差が付きにくいデフォルトの試合順を定め、その横にテキストで試合順も記載しておくと用紙としても分かりやすくなります。 さらに、それを貼り出しておき進行を周囲が確認できれば、チームがいちいち審判に進行を確認する手間が減らせて互いに幸せです。

4チーム総当たりリーグで最終戦を2勝チームvs2敗チームの消化試合にしない、というのはそれ程気にしなくてもいいだろうというのが今回の経験からは感じました。チームの方も甘んじてそれを受け入れる考えが多く「せめて一矢報いる」「全勝で決める」など、極端なモチベーションの低下はありませんでした。 また、最終戦が2勝チームvs2敗チームの場合は、必ず2勝1敗のチームが存在して最終戦を見守る状況があり、勝ち抜けチームの行方は確定していないので完全な消化試合ではありません(実力差から結果は……と思う人もいるでしょうが、勝負事は分からないし諦めたらそれまでですよ!)。

③配信台

試合進行や配信都合を見てチームを呼び出し、信台の試合を指定する、これはもっとも難易度が高い仕事です。

会場内のマイク呼び出しで行うのは仕方ないし、予選32グループから配信台をピックアップして前もって予定を組むのは困難。ディレクターのアドリブと経験値ありきでしょう。

これをせめて改善するには、ディレクションと情報共有をどれだけ的確にできるかです。

・配信台に関するディレクションは独立した「配信台ディレクター」にすること。 ・配信台ディレクターは運営トップとは別の人間に。運営トップは仕事を持たずどっしりと構え、進行を見守って問題点があれば指示し、イレギュラーに対応するのが仕事です。 ・予選グループを進行管理する審判と、配信ディレクターとの連絡手段の確保。「連絡手段」について後述します。

あくまで理想を挙げてます。 実際にそんな人間を用意する余裕はなく運営トップが兼任しているのは分かります。

もっともらしいことを書いていますが、配信に関しては業界のプロが数多いるでしょう。 特に個人トーナメントでの配信台指定はノウハウが十分にあるはずなので、ここでは今回のTOPANGAチャリティーのような状況では、と限定してもらって結構です。

④2グループを1台進行

イレギュラーの産物なので、こうなってしまったこと自体はここまで挙げた原因をより遡るしかありません。 あの状況では空いた台を使わせてもらうのがベストの対応だったでしょう。

⑤ゲーミングボックスでヘッドホン

どこかで誰かが気付いたタイミングで情報共有ができれば、に尽きます。 早めに分かれば、試合と試合の間に少しだけ時間をもらい周囲にも協力してもらうことでセッティングし直すことができたでしょう。

⑥使用キャラに関する質問

当日受付した情報を大会審判にすべて周知する……難しいですね。

もちろん理想は、リアルタイムでCHALLONGEを更新するようにwebにプラットフォームが用意されて、受付担当のボランティアがその場で更新して審判が確認できるのがベストなのですが。

このシステムを何とか可能にして意味あるものにするには、「オーダー表」をアナログに紙で用意することでしょう。

理想は、

・運営側が選手名&使用キャラの書かれたオーダー表をプリントアウトしておき、受付時にチームに確認してもらう ・欠員/メンバー変更/キャラ変更をオーダー表に書き込んで受付が確認し、試合場所まで持参してもらう

です。事前のプリントアウトが無理なら、空欄の表を用意しておいてその場で記入してもらう、事前にフォーマットを公開or送付して記入した上で提出してもらうなどがあります。

そして、

・オーダー表を持ったチームは、試合台に行って審判に提出する ・チームオーダーを審判が把握し、チームの出欠状況も確認できる

状態にします。 これで先鋒ブラインドピックを口頭で聞き、実際にその使用キャラが出ているかも確認できます。

なお、同一チーム内で複数選手が同キャラを使用している(リュウ5など)の場合は、選手名と実際のプレイヤーの容姿を把握しないと厳密なチェックは不可能です。 これはさすがにチャリティーなら参加選手の良心に任せていいと思います。

もしこれを確認可能にするならば、イベントでよく使われる「その場で名前を書き込んで身体のどこかに貼っておくシール名札」を受付時に配布して参加選手に貼付をお願いすることでしょう。

受付作業の負担や時間増、経費増につながりますが、先鋒ブラインドピック確認だけでなく、「簡易的な選手であることの証」「対戦時の互いの相手を確認」「イベントで相手の名を知るコミュニケーションツール」としての役割も出ます。

⑦公式試合と野試合台の混在

公式試合が終了した台が野試合台に使われるのは問題ないです。

その台が今後のどの試合で使われる予定か、もう使用予定がないかが分かれば混乱は起きにくいので、その台が予選~決勝を通じてどの試合に使用する予定か決めておくことを推奨します。これは、ベスト64台指定の件にもつながります。

機材不調などで使用できない台が生まれるなどのイレギュラーには、この予定を組んだ上で対応と判断をした方が混乱は招きにくくなります。

⑧公式試合の横での撤収作業

申し訳ない残念な事故でした。 まず、撤収作業を試合進行と同時に行うこと自体を避ける大会進行がベストです。 また、スタッフやボランティア個人が配慮を怠らないようにできれば避けられました。 あとはクリップボードを持つ審判が傍らにいることで公式試合中であることを分かりやすくするなど。

一つに原因を定めにくいのですが、それはつまり様々なトラブルが混じり合った結果生まれた今回の大会トラブルの象徴とも言えます。

⑨野試合台の不足

Red Bull ゲーミングボックスを本来は野試合台に使用する予定だった、という推測に基づけば、原因はPS4未アップデートという大元につながるのでここで個別の対策は挙げようがありません。

それだけでは何なので当日の状況を記しますと、ノートPCを持ち込んで自力で野試合を行っている方々も見かけました。 厳密に言えば、電源使用許可の有無(スタッフに許可を得ていたかもしれない)、予定電圧に負担をかける、電源使用料は運営側の負担となる、など問題となる可能性もあります。 しかし、ここは成田空港でもなく、今回の状況でそれを止めようとは思えませんでした。

⑩ヘッドホンが床に置かれていた

これは「⑧公式試合の横での撤収作業」と同じケースです。 スタッフorボランティアが配慮できれば、その余裕があれば、です。 もちろん個別の注意事項として周知することもいいでしょう。

⑪勝利報告の方法

事前に決めて審判担当のボランティアに説明しておけばOKです。 「それくらい分かるだろうし何とかなるだろう」が生んだ混乱なので、それを怠らないだけで時間ロスや不安を防げます。

⑫先鋒ブラインドピックの不徹底

前述の「⑥使用キャラに関する質問」で挙げたオーダー表が有効です。

そして、「先鋒のみ事前申告をお願いします」ではなく、 「どちらかのチームが希望した場合は、先鋒の事前申告をお願いします。以降の試合に臨む選手は、負けた側のチームがその都度自由に選べます」 とCPTに用いられているような希望制にして問題ありません。それだけでもチーム側の要望は満たし、審判の負担も減らせます。

⑬マイクによるベスト64台指定

事前に全ての試合の開催予定台を定めておくことです。

まず、予選グループの勝ち抜けチームがベスト64のトーナメント枠を抽選で決められるとして、その枠がどの台で試合をするかは事前に決めておくことができます。 そしてそれをスタッフ・ボランティア・選手で情報共有できれば、豊田氏のマイクで状況を把握しつつそれぞれが速やかに動くことができました。

ベスト64は32試合で、予選グループとして用意された32台で行えます。 そしてステージでの配信台が2つあります。 これが機材不調で使えない台がある場合に対するバッファにもなります。

どの試合を配信台にするかは、配信台ディレクターによるその場での判断がさすがに必要ですが、ここまでチームや試合数が絞られれば対応もしやすくなります。

その上で、進行調整やイレギュラー対応、チーム呼び出しにマイクが使用されるのはむしろ推奨されるべきでしょう。

ボランティアにどこまで求める?

少し脱線。ボランティアという善意で成り立ち、拘束力がない中でそこまで定めるの? という考え方もあります。無償と有償、義務と善意の境界線ですね。

ボランティアだから何となく手伝って何となく休んで何となく帰る、では互いに不幸です。仕事をお願いする側は予定を組めず、ボランティアも不安が募り、役に立ってるという喜びが薄れます。 たとえボランティアであっても、協力できる時間の中で業務を全うするという意味ではスタッフと変わりません。違いは「無償であり責任を負わない」という点です。

言い換えるならば義務ではなく、もう少し緩やかな意味での「約束」ですね。また、ボランティアは労働力のクォリティを保障できるものではなく、その結果はスタッフや運営が負うものです。

よって約束を結んだ以上、運営側はある程度の業務や拘束は指定し、ボランティアもそれを受け入れた上での奉仕はするべきです。 運営は極端な気後れをせずに感謝を前提に仕事をお願いし、ボランティアは頼りにされているという気持ちで結果を恐れず仕事をするのがいいでしょう(説明は欲しいけどね)。

なお、今回のTOPANGAチャリティーではボランティアに対して、運営・プレイヤー・観戦者・視聴者の意見やコメントは感謝がほとんどで、その責任を問う声はごく少数でした。 ただ、ボランティアを非難するごく少数があったのも事実で、そういった声が大きく聞こえ広まりやすく人を傷つけるのが、今のSNS時代なのですが……。

根本の対策

かなりの細かい案件にも対策を挙げましたが、ほとんどに対して共通の問題があります。 それは「情報共有と連絡」です。これさえ円滑にできれば、数々のトラブルを防げなくとも対応を円滑に進めることができました。

現場では情報伝達ツールの使用はありませんでした。 マイクによる一方通行の指示と、個人の行き来による口頭伝達のみです。 さまざまな問題に対して、フロアで働くボランティアは「誰に聞けばいいか分からない。この場を離れてステージ上の運営スタッフに直に聞きに行くべきかも不安」という状況でした。

非常にアナログな問題に見えますが、生のイベント、生の人間が進行形で動く状況では普通に起こる状態です。

これが規模も小さく収容人員にも余裕のあるイベントならば、何かある度に責任者に聞きに行くのでも良いかもしれません。 しかし、今回のTOPANGAチャリティーではフロアに隙間なく人が立ち、移動自体が労力と時間のロスでした。

以上で対策を考えるならば、

・LINE、DISCODE、無線機器による情報伝達ツールの使用 ・独立した連絡役を定めて動いてもらう

です。

LINEやDISCODEなどは、スマホ所持やアプリのインストールの前提、登録の手間といったハードルがあります。個人情報保護の観点からも難しさはあります。 無線機器は経費と使用ノウハウにハードルがあります。 金と人と時間があれば……という類のもので、無理ならば諦めざるを得ません。

そこで、連絡役を誰かにやってもらうのがせめてもの対策です。 運営トップからの情報発信と、現場からの情報吸い上げを、専門に“鳩”となって飛び回るのです。用紙や機材の配布や収集にも活躍できるでしょう。

実はベスト64あたりから、率先して(というか勝手に)自分は鳩として飛び回りました。 そして担当台を持たず、問題がありそうな場所に声をかけるフリーな立場にいました。 常に担当台を持ち続け働き続けたボランティアの方には申し訳なかったのですが、自分が今できて必要な仕事を考えた結果です。 決勝トーナメントが進むにつれて、自然と人員に余裕が出てきてその役割も不要になりました。

おそらく今までのTOPANGAチャリティーでは、そういったツールや人員を用意しなくても何とかなったのだろうと思います。 しかし、これまで何回も挙げたとおり再考すべき段階でしょう。


コメント

  1. と。 より:

    この記事を公開した方はとても偉い方だと思います。理性的な対応で、格ゲー業界の未来に期待しているんだと思う。

    個人的に似た経験をいくつかしたことがあって、結論として、滅びゆくコミュニティは自壊するという内容になります。

    私も格ゲーが大好きです。
    その未熟な感じや、社会的弱者の集まりであるという点、コミュニティの成長を祈っていました。

    本件をはじめ、もう終わりなんだと思います。
    最後の闘劇と同じ光景。

    格ゲーは不名誉なタイトルと共に歴史に幕を閉じる。
    自分たちの選択によって

    • じく じく より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り期待しております。そして自分はプレイヤーではなく、観戦者として観戦文化の成熟を期待しています。
      EVOJ2020は見る限りかなり良い運営のようでしたし、
      できれば終わりと思わず応援していければと思っています。

  2. 今井康浩 より:

    まずボランティアお疲れ様でした。
    業務改善や効率重視という言葉が飛び交う現実世界から解放されたくて大会に参加している選手達が、運営のまずさに目をつぶっている姿を見ているスタッフとしてはさぞお辛かったでしょう。私が昨年ボランティア参加していたなら今年は参加を見送っていた様に思います
    内容につきましては言葉を選びながらGAME愛に満ちあふれた指摘だと私には感じられました。機会がありましたらVF5FSのイベント(EVO Japanが終わったのでBT杯に成ってしまいますが)も見に行かれての文章も読ませて頂きたいです

    最後に大学生時代にプロゴルフ関係の場外運営スタッフとして約2.5年程働いていた過去を思い出させていただきありがとうございました。

    • じく じく より:

      コメントありがとうございます。
      言葉は選んだつもりでしたが、もしネガティブに捉えた方がいるのでしたら残念です。
      今井さんには好意的に感じていただき助かります。
      指摘するからにはその改善案は提示したいと考えていました。

      ビートラには確かに行ってみたいですね。他にも北斗や闘神祭など、SFVに限らず大会を感じることができれば。

      運営スタッフはイベントの対人最前線、その重みを改めて痛感しました。

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