「Capcom Cup 2019」参加選手31名+αのCPT2019成績振り返り&CC2019展望

NuckleDu(北米/11位)

ガイル/G/ミカ/ナッシュといった多キャラ使いです。CC2016覇者であり、プロゲーマーとして長く活動を続けながら現在はなぜかノースポンサーで自ら「MY WARRET(自費)│KnuckleDu」と選手登録をする実力派です。
これだけのキャラを扱いながらコンスタントに成績を残し、北米ファイナルではオープンプレミア2位&地域決勝を優勝と直近で最高の仕上がりです。
ナックル選手は、彼の強さ以上に対戦相手が「戦いたくない選手」と認識しているのは間違いなく、するするとトーナメントを勝ち上がる可能性も十分にあります。

Oil King(アジア/12位)

オイキン、五股石油王、など日本でもおなじみの台湾ラシード使いです。何より短パン姿から見える美脚が……と話がそれました。
今年はランキング1勝のみながら、参加する大会は常に上位で10月からはプレミア4連戦を9/7/9/2位など結果を残しました。
台湾の英雄GamerBee選手の後を継いで台湾大会の運営も行い、台湾×沖縄のe-sports国際大会“琉熱”にもエキシビジョンでときど選手と対戦するなど、活動の幅を広げてプロプレイヤーとしての成長を感じます。
彼の“静”と“動”を使いこなすラシードは唯一無二と言えるもの、その相手を翻弄するプレイでCC2019でも上位を狙えるでしょう。

Xian(アジア/13位)

シンガポールの天才いぶき使いシェン、当然のごとくCC2019出場です。
優勝はオンライン大会1回のみですが、常に上位に入る“大会力”を見せてくれます。特にツアー終盤では70/200/70/200/60ポイントと一気に稼いで見せたところに、帳尻を合わせてくる経験、正念場での強さを感じさせます。
クールな表情で大会でもその美顔をのぞかせていますが、昨年のCC2018では勝利時に激しく感情を見せる一面もアリ。藤村選手と並ぶ2大いぶき使いですが、強いて言えば藤村選手がやり込みの極み、シェン選手が大会の極みを見せると言えるでしょうか。

Mago(アジア/14位)

2D神、みんな大好きマゴさん。今年のマゴさんと言えば“September Mago”、9月のマゴ。
昨年も9月から調子を上げてCC2018に出場しましたが、今年のマゴさんは8月のEVO終了時点で105ポイント。いくらマゴさんでも今年は無理では……とTOPANGA配信でもいじりと笑いの中に空元気が垣間見えたものでした。
しかし、Celtic Throwdaownで9位70ポイントと復活の兆しを見せると、続く中国プレミアで3位200ポイント、そして東京ゲームショーのアジアプレミアで2位500ポイントを獲得し一気にCC2019出場を決めました。グラフを見ればこの一連の激動は一目瞭然です。
Celtic Throwdownからのプレミア&スーパープレミアでの順位は、9/3/2/4/4/33位と9月に留まらない活躍は本物。CPT2019の1回戦はLCQ優勝者であることを文句を言いながら笑うマゴさん、ロサンゼルスを彼の“家”にできれば私たちも夢を見て昇天できるかもしれません。

Gachikun(アジア/15位)

CC2018覇者! CPT2019はすでにCC出場権を獲得している状態で始まりました。
それゆえのスロースタートというか、悪くはないが良くもない、というポイント状況が続きます。CC連覇は過去になく、覇者も翌年は……とも思いましたが、オンライン2位、アジアプレミア4位、アジアファイナル2位は流石。出場権を確保している状況でCC2019に向けて着実に仕上げてきているという印象を受けました。
自らを不器用と語るガチくんですが、それゆえにラシードをやり込み頂点にまで上り詰めた男。どこか静かな印象を受けますが、1回戦のジョン竹内戦でその実力を思い知ることになるのではないでしょうか。

Machabo(アジア/16位)

今年から吉本ゲーミング所属となりCPT2019に参戦。参戦当初こそ25/13位と苦しみましたが、以降の大会で5/1/3/7/3/3/5位とEVO時点で1120ポイントと初参戦にして呆気なくCC出場を手中にしました。
……とだけ記すと素っ気ないですね。ギルティでEVOを制し、対空が自動で出るミスター最適解。「(CPT)周ればCCに出られる男」という評判を瞬く間に現実のものとした天才プレイヤーの一人です。「ネカリでようやるわ」と“ようやるわオジサン”を量産させた功績は大きく、CC2019はネカリ一本と宣言してますが最近は豪鬼も他大会で使用しており、すでに「まちゃが豪鬼使ったらヤバイ」と誰もが思ってるところです。
直近ではTOPANGA配信でときど選手と豪鬼ミラーで負けるシーンがありましたが、常にニコヤカに番組を過ごしていたのに負けた直後だけは無言で考え込む様子も。根っからの格ゲーマーであることを覗かせてくれました。
1回戦の相手は是空全一のAngry Bird、天才が本気で対策したネカリが今から楽しみです。

Angry Bird(欧州/17位)

Big Birdの盟友、同じくアラブ首長国連邦のプレイヤー。シーズン2最後の追加キャラクターとして2017/10/25に是空がリリースされて使用するようになってから結果を残すようになり、昨年CC2018にも出場して7位。現段階では世界全一の是空使いと言っても過言はありません。
Big Birdとは幼少期からの友人で、EVO2019で彼が壇上(TOP8)を決めた時には即座に駆け寄って抱きしめ、その後のTweetで自分たちからEVOの壇上に立つ者が出るのが子供の頃からの夢だった、と語っています。
CPT2019ではランキング2勝、アジアプレミアで3位と危なげなくCC2019圏内を確保しています。出場選手の中での是空使用者はAngry BirdとInfexiousの二人なので、比較的キャラ対策は緩めのはず。1回戦のまちゃぼー戦はネカリ対是空という、いわばTier1ではないキャラクター同士の戦いは非常に興味深いところです。

John Takeuchi(アジア/18位)

昨年はグローバルポイント32位、最後の北米ファイナルで3位に食い込みながら惜しくもCC出場を逃しました。しかし、今年はラシード使いとしてより技術を磨き、終始安定した順位を残してボーダーラインを上回り続けて念願がかないました。グラフを見ても綺麗な右上がりのラインを描いていることが、その実力を証明しています。
日本の若手プレイヤーとしては、もけ選手に並び追い越そうとするほどの期待のプレイヤーで、その甘いマスクから女性ファンが多いという話も?
今年の1回戦は同じラシード使いで前年覇者のガチくんが相手、否が応でも“格付けマッチ”と見られるに違いありません。世代としては中堅のガチくんと若手のジョン竹内選手。ラシードミラーマッチは「数多いラシードのうち1体が落ちる」という意味でも他の選手は注目するでしょう。心情的にはジョン竹内選手を応援するファンも多そうですが、結果はいかに?

Dogura(アジア/19位)

関西出身でCAG(Cyclops athlete gaming)所属の“何か勝ってる”人気プレイヤー。日本国内での大会やコミュニティイベントでゲストや解説に招かれることも多く、関西プレイヤーとして“喋れる格ゲーマー”としてもよく知られています。
格ゲー歴も古く、ギルティからSF4、BBや鉄拳DBFZなどマルチゲーマーとしての才能も評価されています。
有名な「PS3事件」や大会へのエントリーミスなどそそっかしい一面もあり、いろんな意味と愛を込めて「どぐらほんま……」と言われることも多いとか。
CPT2019ではそれまでのユリアンから、SF4時代も使用していたベガへとキャラクター変更をしたことが功を奏し、CC2017以来2度目のCC出場となりました。
1回戦の相手は強豪いぶき使いのXian、ともに大会で粘り強いのが信条なのでフルセットフルラウンド必至の戦いが予想されます。あの顔を覆うやっちまったどぐらか、すました顔して何か勝つどぐらか、どちらも目に浮かぶのは自分だけでしょうか。

Nemo(アジア/20位)

投げキャラ嫌いで板橋ザンギエフ選手との(ビジネス)不仲でおなじみのネモ選手。
クールに見えてすぐキレる、勝てば壮大に煽って握手を求め、文句を言う割にその分のキャラ対策をやり込みで開発する、魅力あふれる人間です。スクエニに社員として所属し進行管理の仕事をしながら、Team Liquidに所属する兼業プレイヤーとしても知られ、キャリア設計やe-sports興隆の中でプロゲーマーの将来像にまで思いを馳せて自らをモデルに実現させているクレバーな人間でもあります。
一時期はコーリンを使用することもありましたが今ではユリアン1本に絞り、勝ちまでのプランとエイジスリフレクターを使った独創力は唯一無二と言えるでしょう。
CPT2019では常にボーダーラインを意識して限られた参加可能大会を選び取り、欧州ランキング大会やオンライン大会で優勝する計算高い面を見せました。
1回戦のOil King戦は過去戦績も良く、着実な成績を残すことが予想されます。

Infexious(欧州/21位)

今年Cygames Beastに所属し、Angry Birdとは異なる是空使いとして不気味な老若の使い分けで相手を翻弄。7月のSonic Boom 2019から一気にポイントを荒稼ぎし、EVO2019でも3位に入賞しました。
いきなり現れたかのように見られていますが、CPTには2015年から参戦しており、SF4でヒューゴ、SF5ではネカリやザンギエフをこれまでに使用しています。CPT2017では欧州オンライン大会で優勝など成績を残していました。
インフェクシャスと言えばプレイ中の“jpeg画像”。表情を一つも変えず静止画ではと間違えそうなポーカーフェイスでも有名になりました。なお、普段は表情豊かな人間で、試合中は意図的に感情を抑えて冷静かつ計画的にプレイをしていると本人は語っています。
1回戦の相手はKnuckleDu。Gで圧し潰しに来るか、など使用キャラも気になりますが、インフェクシャスならあの表情のまま勝ってしまうのではと期待してしまいます。

Sako(アジア/22位)

格ゲーおじの代名詞、サコさん。昨年はメナトを使った誰も真似できない完全オリジナルコンボハメで、格ゲーマーの中でユニークかつオリジンな存在であることを見せつけました。
今年はVトリガー調整でメナトがナーフ(弱体化)され、時にはカゲを使いつつも昨年ほどの圧倒的な結果は残せていません。
その上で今年は体力的に厳しい中で精力的にツアーを転戦し粘り強くポイントを稼ぎ続け、最終的にボーダーラインを上回ることになりました。グラフを見ると細かい上昇がそれを物語っています。
sakoさんと言えば、彼のマネージャーでFAV Gameingもサポート(所属?)する奥様のakikiさんも有名です。sako選手の定期配信やCPT応援配信も精力的に行い、OPENRECでの日本語公式配信がまだ定まらない状況でCPT英語公式配信をミラーして日本語環境で応援する環境をいち早く用意した“神”でもありました。結果的に後から公式パートナーとして他チャンネルでもミラー配信が次々と認められるようになり、akikiさんの業界に与える貢献度は大です。
sakoさんの1回戦の相手はPhenom選手。おそらくかりんが出てくるでしょうが、メナトで相手の攻撃を封殺できるかでしょう。何とかakikiさんの心臓を止めるようなつり橋を揺らさずに勝利を収めて欲しいものです。

NL(アジア/23位)

韓国の強豪プレイヤーで、隆→キャミィとキャラクターを使用していました。
昨年はキャミィで結果を残していましたが、キャラ調整を受けて厳しくなり今年は豪鬼にキャラクター変更を行いました。
ツアー前半はキャラ変更から間もなく苦戦していましたが、以前に隆といういわゆる“道着キャラ”を使っていたこともあり着実に豪鬼を磨き上げてきました。
グラフでも分かるとおり6月のTaipei MajorやTGU×SEA Major Thailand 2019から結果を残すようになり、プレアミアのCeltic Throwdaown 2019では2位でジャンプアップ。「NLの豪鬼が仕上がってきた」と周囲を分からせました。
直前にはHotdog選手と共にマゴさん宅に合宿すると調整にも余念がなく、1回戦には勝つというももち選手も油断はなりません。

Daigo(アジア/24位)

格ゲーレジェンド、ウメハラ。さすがに説明の必要はないでしょう。
今年はガイルのナーフで是空などのキャラ変更も匂わせましたが、ガイルで戦えるという判断でシーズンを開始しました。シーズン途中からHITBOXにコントローラデバイスを変更する大英断。ベテランながらさらに新しいことに挑戦する姿勢は「さすがウメちゃん」と往年のファン達をうならせました。
CPTでは4月のThe Mixupで2位350ポイントを稼いでほっと一息、以降も完全にプレミア&スーパープレミアに参加大会を絞り、安全圏と判断して北米ファイナルには不参加。結果的に24位となりましたが、これは他のプロ活動や配信などを時には優先した計算した上での順位でしょう。
ウメハラ選手の強さは、ターゲットを絞った開発力と対策。獣道に見られる10先での強さはご存知の通りです。1か月の期間を以てPloblem Xのベガに挑む。その宿題力で全一ベガを破る姿を誰もが見たいと願っています。

801 Strider(北米/25位)

ユタ州の番号「801」を背負うソルトレイクシティのG使い、本名はGustavo Romero。これがCC対策だ!と筋トレ風景をTweetするマッチョマンです。
スーパーSF4でアベル使い、CC2015にも出場しています。
SFVではララを使用してCC2017に出場して13位。2018年途中にララからGにキャラクター変更し、この年はCC出場を逃すも今年は出場に手が届きました。
ランキング優勝2回、オンライン優勝1回と北米圏で確実に成績を残したのがボーダー争いで生き残った勝因でしょう。
Gは圧倒的攻撃力と防御のもろさを併せ持つキャラクター。ツボにはまった時の強さは誰もが恐れます。Big Bird選手のラシードには不利が予想されますが、2先で一気に圧し潰す戦いができればチャンスもありそうです。

iDom(北米/26位)

今大会唯一のララ使い。多彩にクラップを使いこなし、一連のコンボのダメージは最強レベルです。アメリカ東海岸ではSmugと肩を並べる2強と認識され、北米のSFVシーンでは常に結果を残し続けています。
CPTではありませんが、北米のStreet Fighter LeagueではBAN制度のあおりを喰らい常にララがBANされて仕方なくバーディーを使うという可哀そうな事件もありました。しかし、ララを使えばその強さは疑いようもなく、1回戦の相手である藤村選手は普段対戦しないキャラクターでもあり注意が必要です。

JB(27位/北米)

グローバルポイント枠の最後の一人に滑り込んだのは若きラシード使いのJB。ここの801 Strider/idom/JBの滑り込みで涙を飲んだのが後に挙げる板橋ザンギエフ選手と言えるでしょう。
JBはオンライン大会2位、ランキング大会優勝で序盤こそポイント上位に位置するも、中盤は結果を残せず伸び悩みました。
しかし終盤の南米ファイナル/カナダカップ/北米ファイナルで執念を見せ、計260ポイントを上積みして935ポイント。結果的に北米地域代表となったSmug選手には感謝されているに違いありません。
28位Luffy選手が905ポイント、29位キチパーム選手が880ポイントですから、大会1回分のポイント差とも言えるので、かなりの大会に参戦できたのが大きかったでしょう。
1回戦の相手はHotdog選手。実力、調子共にHotdog選手のベガが上と見ますが、何とかつかみ取った幸運を活かしたいところです。


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