45歳の隻狼 ~おじゲーマーが発狂しながらフロムソフトウェア「隻狼」に挑戦し、気付けばクリア8周させていた~

FROM SOFTWAREのPS4「隻狼」をおよそ1か月かけてクリアした。
今の自分は時間があるので、日によっては丸一日プレイした日も。
“クリア”というのは、4周かけてトロフィーをコンプリートしたという内容だ。


いわゆるフロムゲーは初めてだったので、当初は「初見を楽しんでwikiや動画は行き詰まるまで見ないようにしよう」、とワクワクしてた。


が……。


プレイ開始後数日で、ワクワクは殺意に変わり、wikiや動画を漁りまくる日々に変わったw

プレイを決意したきっかけは友人たちの情報から。
ダクソ・ブラボの存在は知ってたが、世に言う“死にゲー”とはどういうものかと興味もあったので。
そして和物で忍者ならとっつきやすいかもというのも少し。
それに歳喰ったと言えどゲーム会社に勤め続けてゲームはプレイし続けてたし、モンハンや音ゲーもそれなりにプレイしてた。

が……、何もかもが甘かった。
コントローラーを(ベッドに)叩きつけたのは、PSPのモンハン以来だわw

まあ、そんなところで自分のプレイを振り返っていこう。
いやー、なりふり構わなかったな、今思い出しても。

 


チュートリアル~荒れ寺まで

いくら死にゲーって言っても最初は、って思っていた。
それでも何すればよいか分からず死にまくって、御子にお会いするまでに30分。
弦一郎に斬られて荒れ寺に着くまでに1時間30分。

フロムゲーに慣れてる人ならきっとあっという間だったのだろうけど、そもそも何が目的でどこに行けばいいか分からなかった。

この画面が唯一の手掛かりだったが、すぐに飛ばして見返すことができなかった。
この時「隠密で敵を避け、月見櫓を目指すと良いだろう」が強調されていれば……。


あ、「お前が下手なだけだ!」ってなら、もうこれ以上は何も言わないw

 

 

初めての忍殺、火牛パニック

まあ、そんな最初の理不尽を経て自由度のある状態になると、忍んで敵を即殺する「忍殺」が少し楽しくなってくる。背後や空中から赤く光ったターゲットを忍殺。
何かこれだけで上手くて強くなった気がする、デュフフフ……。

まあ中ボスにはそれなりに殺されつつも、雑魚を忍殺することでメンタルを回復させたり。
そして少し心中も穏やかになってきたところで……奴は来た。


火牛。

フロムゲーには良ボスとクソボスがいるらしいけど、俺的に完全なクソボス。
後の弦一郎もお蝶も梟も過去梟もラスボスも、全然OK。
でも火牛、お前だけは許さない!

とにかく死にまくった。

攻撃していい隙が分からず死ぬ。
カメラのロックが無茶苦茶になって死ぬ。
避けてるつもりが当たって死ぬ。
回復するタイミングをつかめず死ぬ。

そして動画を参考に安全地帯らしきものに登っても死ぬ。
爆竹使うタイミングが分からず死ぬ。
策を飛び越えられず死ぬ。

何しても死ぬ、死にまくる。
配信してるのに愚痴と呪いで発狂し続けてた。
特に逃げまくって視野外から小突かれたり、回生後にリスポーン狩りされる死に方が多すぎ。
たぶん30回以上は死んだんじゃないか。
(動画編集したら25回でクリアでした)

死を重ねてきて、後半でようやく火牛の攻撃もガードができることに気付く。
あの火を纏った突進をガードできるなんて夢にも思ってなかったんだよね……。

それでガードを覚えて少しはまともになると思ったら、今度はロックオン切れとカメラパニッで発狂に次ぐ発狂。

とにかく全てが理不尽の塊り(この時の自分には)。

挙句の果てには力が入り過ぎてたのか、プレイ中にコントローラーのR2ボタンが押し込まれたままになって死んだり。

「何なのこいつ!」「死ねよもう!」「何で俺こんなゲームやってんの?」と罵声を挙げまくってた。

結局倒せたのは……爆竹を使うタイミングがようやく掴めて、爆竹を使える形代が切れた後に無心になって逃げと斬り込みをするようになった時。

この時なぜか、火牛の尻を追うように動くという基本ができていた。
回復のタイミングもそれほど無理をしてなかった。
よく分からん安全地帯を使おうともしなかった。
欲張って斬り過ぎることも少なかった。

それまで火牛のHPを半分も削れなかったのが、突然ギリギリの戦いに持ち込めてなぜか勝ててしまった。
それでも、倒した後にまだ呪いの言葉を吐き続けてたけどw

では、一応切り貼りして文字も載せて15分くらいにまとめたのでよろしければご覧ください。


今、こうして冷静に振り返ると、火牛は明らかに他のボスとは違いがいくつかある。

・常にこちらを追いかけて攻撃してくる
・攻撃モーションのパターンが判別しにくい
・この段階までの敵と比較してリーチが長くて分かりにくい

特に2番目の攻撃モーション、少しディレイがかったような、溜めてから角を振り回すようなモーションがガードや回避を困難にしている。

一方、攻略法としては

・旋回性能に難があるので壁に詰まってる時が隙
・火牛の尻を追うように動けば自然と攻撃チャンスが来る
・ロックを外し、ゾーン右奥の狭い区画で壁に常にめり込ませて旋回を繰り返させる

というところ。

結果的に2周目以降はほぼ死なずに倒すことができるようになった。(裏技スキップはせず)


そして振り返ると、この時から一つの傾向が見え始めてた。

それは、
「動画を参考にして行き詰まる」。
これについては後でも書く。

いや、それでも火牛はクソボスだ。
フロムゲーに慣れてる友人は初見勝ちしたとか言ってるけど、やっぱクソ。

その証というか支持する考えの一つとして、先日のアップデートで唯一と言っていいボス個別で火牛が弱体化された。

お蝶じゃないんだよ。お蝶は後で強くなってから戻ってこれるけど、火牛は進行上倒さないと進めない中ボスだから。
ただしスキップ技が後に見つかったから、それを使った人もいるかもね。

たぶん統計を取ったら、フロムゲー初見プレイヤーの最初の壁は“火牛”だったに違いないと確信している。

 


弦一郎戦で気付く“相手の弾き”

火牛を倒すと次のボスは葦名源一郎。
一応、一般的には火牛ではなくこいつが最初の壁とされている。

まあ当然何回も死んだし「これキッツイな~」とも思ったけど、全然火牛のようなストレスは無かった。
死んでも「あれを見誤った」「こちらの攻撃を欲張った」「回復を焦った」と思えたんだよね。

これはもしかしたらプレイヤーとしての成長……いや、火牛はぜってーに良ボスじゃねえw

まあやはりキツくて有名な攻略動画をいくつか見て研究したのだけど、ここで初めて知ったことが。

それは、剣戟をしている時の“敵の弾き”。

丸い感じのエフェクトが出てこちらの攻撃を防がれた時が、敵がこちらの攻撃を“弾き”した時。
それすなわち敵の攻撃のターンとなる時。

これ、本当に気付かなかったしゲーム内でも教えてもらった覚えはなかった。
荒れ寺のソコモト先生もそこまで教えてくれなかったよね?
これもなあ……自分はダクソやブラボはプレイしてないけど、“パリィ”的な動きを知らないときついし、敵が弾いた時って知る機会あったかな……。
こんな大事なこと非公式の攻略動画で知るってどうなんだろう?

まあ、これで初めて剣戟で押し切れる時と反撃される時の違いが分かった。

結局、弦一郎との戦いは雷撃も返せずギリギリの戦いでしたが発狂はせずに倒せた。

ちなみに、ここでゲーム進行的に半分、いや1/3くらいかな?
PS4のトロフィーで確認できる限り、葦名源一郎を倒せた人が発売後1か月でざっくり50%。

これ、買って諦めちゃった人ってどれくらいいるんだろうね。

 


梟(天守楼閣)で知る“初心者でも簡単!”の罠

だいぶゲームに慣れてきて少しはゲームを楽しむ余裕も生まれつつ、お蝶を除けば第二の壁である義父の梟戦に。

ここでまた死にまくる。
この時点ではもう、wikiや動画は見まくりというか、むしろ見てから先に進む感じ。
卑怯とか楽しみ半減とか、そんな感情なんて皆無。
もう火牛でこのゲームに対するスタンスが完全に変わった。

「ゲームでイライラして発狂して何が嬉しい?」
「このストレスは達成感では償われない」

そしてどれだけ予習しても下手だから、間違えるし死ぬし、むしろ丁度いいんだよw

まあそれで動画を見て梟戦にも臨んだわけで。
主に動画では「初心者やアクションが苦手な人は右後ろに逃げ続け、手裏剣2発後の兜割り後の隙に斬り付けるだけでいい」と。

自分も最初は納得してその作戦で臨む。
そうするともう……死にまくるw

「右後ろに逃げ続けて」も梟の攻撃喰らうし、絶妙に配置された出っ張った襖に突っかかったりして死ぬわ死ぬわ。

このゲーム全般に言えるが、敵自身の動き/攻撃/弾の追尾性能がとにかく強い。
ダッシュして避けきったつもりでも余裕で斬られてる。

ここで「初心者でも簡単!」すら俺はできないのか、と激しく凹む。
俺は初心者以下か、ゲームやる資格ナシだろ……と。

あ、もちろんタダで勝手に動画を見させてもらっているので、動画に対して「簡単とかウソつくなや!」なんて恨み言は吐かない。

強いて言えば、「上手い人がどれだけ噛み砕いて楽な方法を伝えたつもりでも、本当に下手な人間の詰まるところや理由は分からないことが多い」ってことかな。

あとは個人差があって、「特定の判断や行動に対して得意不得意がある」とも。

例えば火牛を初見で倒した友人は鬼刑部でかなり苦労したと。
一方、自分は鬼刑部は2~3回で倒せた。
何なんだろ……こればかりは向き不向きとしか言いようがないねw

ともあれ、そこからいろいろ動画を見まくる。
まあ説明してくれているわけで、

「敵のこのアクションにはジャンプ」
「このアクションには見切り」
「このアクションの後に2回斬り付け」
「このアクション後には2種類のパターンが……」

などなど。当然それができたら何の苦労もしていない。
さらに自慢げなノーダメージクリア動画とかも。
何なの?機械なの?AIなの?

参考にならないというかなる訳がない……とボーッと眺めてた。
まあ綺麗に敵の攻撃を弾いて逃げ回ることなんか皆無だし。

ところが、これを見てふと思った。

「どうせ逃げ回って殺されるんなら弾きとガードで何とかならんか」

と。

そしてweb見まくっているうちに
「L1ボタン押しっぱなしでガード、弾きたい(ジャストガード)時だけボタンを瞬間的に放して押す」
という知識に出会う。

理論通りならば、これを使えばボタンを離した数フレームに割り込まれない限り、悪くてガード良くて弾き成功なわけで。

すでに前述した敵の弾きエフェクトと、このL1押しっ放し瞬時離しの知識が最初からあったら、どれだけ楽だったか……これがフロムゲーの通過儀礼なのかな。


そういう訳で、逃げ回り戦法から“基本的にガード&弾き”に変更した。

そうしたら、死ぬには死ぬけどプレイが安定し始める。
プレイを繰り返せば少しずつ与ダメージも増えて技術の向上も見える。

あ、もちろん「奥義・仙峯寺菩薩脚」も使った、というか覚えて臨んだ。
もうどれだけ、落ち谷の鉄砲峠でスキルポイント稼ぎを繰り返したか……。

プレイ技術以外で可能なことは何でもする。
wikiも動画も見るしマラソンもする。
見栄を張る気なんて無い。

そうしてかなりの苦労の末、何とか梟を倒せた。

結局は、ガードと弾き主体で、時には逃げる感じ。
動画のどの攻略にも100%従ったわけでもなく、結果的にハイブリッド的なオリジナルな戦い方だった。

ここで自分なりに悟る。
「盲目的に“初心者でも超簡単”に従うのは危険、無理」

もちろん有効なことも素直に成功することもあるだろうけど、自分はことごとく遠回りだった。
結果的にガードと弾きを身に付けた方が早かった。

……何だよ、ゲーム側の思うつぼかよw

でも、そういったプレイ知識も動画で知ったわけで、できればゲームをプレイしながら自然と知りたかった。
これをプレイする自分の洞察力の無さと捉えるか、ゲーム側の不親切さと捉えるか。


うーん、そうだな……個人的には完全誘導でなくても救済は欲しいかな。
死にながら敵の攻撃パターンを学ぶのは全然アリだと思う。
ただ、こちらの操作技術的なフォローはもっと欲しかった。
ソコモト先生も、弾きエフェクトやガード押し放しテクは教えてくれなかったしね。

 


2周目~義父梟で思い知る“身体能力の限界”

そうこうして梟を倒して以降はラスボスまで何とかなる。
ラスボスの一心槍形態ではさすがに結構死んだが、それでも納得のいく範囲。

エンディングは、1週目は「竜の帰郷」ルートを選んだ。
そして2周目は覚悟を決めて「人返り」ルート、すなわち義父梟との戦いを決意したわけで。

ここまで来てると基本的な技術は身についてるし、もはや死ぬストレス、倒せないストレスはほぼ感じない。

ただ、義父梟はこの隻狼の実質的な裏ラスボス。
かなり攻撃パターンも豊富だし、ミスった時のお仕置きダメージが半端ない。

そしてここでついに、自分に最も恐れていた壁が立ちはだかる。

それは……身体能力の限界。
反射神経、動体視力、運指の正確さ&速度。

目で見て脳で判断して「これだ!」と分かっても、その通りのアクションができないジレンマ。

結局は一つ一つの成功率をどれだけ高められるかで、その限界値を感じた。
「ああ、20代の俺なら楽勝なんだろうな……」とか切ない思いも胸に広がったw

そこでどうしたか……。

迷わずスキルポイントマラソン。
攻め力(攻撃力)をスキルポイントで増やすマラソンをした。

説明すると、鯉の鱗を集めて3つに分かれた「舞い面の破片・竜頭/左面/右面」買い物すると、「竜の舞い面」が完成する。
「竜の舞い面」を持っていると、スキルポイント5を攻め力1に変換できる。

で、実はこの「竜の舞い面」による攻め力アップは“罠”であるという定説がある。

それは、スキルポイントを貯めるのは前半ほど敵を倒すのが少なく済み、後半ほど大量の敵を倒さなければならない。

故に貯めたスキルポイントは流派技を覚えるのに全振りするのが定石だ、と。

例えば最後に覚える流派技はスキルポイントが9必要なのだけど、これを4周目に0から貯めようとしたら……それだけで1日かかるんじゃないのかな。


それでも、自分は2周目の過去梟手前で攻め力をガンガン上げた。
結果的に30まで。
たぶん普通はそんなことしないと思うw

だってさ、流派技を覚えるとか以前に倒さなきゃ前に進めないんだから。
これもwebで定石的に「スキルポイントによる攻め力UPは罠」的に言われてるけど、自分は言いたい。

「本当に戦いが苦しい人は攻め力を上げろ」と。

弱者とか初心者とか向けにいろいろアドバイスしてる動画はあるけど、本当に下手で苦しんでいる人の気持ちまでは分からないからね。


そうして結果的に、瓢箪も丸薬も使い切り、お米もおはぎも神食み(ラストエリクサー的なアイテム)も使って、ギリギリで倒せた。

もうここまで来ると、ラスボスとか忘れかけた攻略を思い出すだけで呆気なく倒せるし。
どんなに愚直でも自分なりのやり方で進んだのが良かったと思えた。

まあ結局は、この「スキルポイントによる攻め力UP」はフロムが組み込んだ最後のセーフティーネットなのだと思う。
死ぬほどマラソンすれば何とかなるよ、と。

「それはフロムゲーの攻略じゃない」と言われればそれまでだけど。
でも、与えられた術を使ったのだからチートでさすがに無いだろう。

参考までに8周目の義父梟クリア動画を載せておきます。
決して簡単ではなかったよw

 


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