EVO JAPAN 2019(以降「EVOJ」)SFV部門、CPT対象大会では無いながらも今年初の国内最大規模大会に相応しく熱い試合が続出。 この記事では2/16予選2日目(Winners&Loosersベスト128→Top8)、2/17決勝(TOP8→GRAND FINAL)から注目したい試合や選手をピックアップします。
事前記事や予選1日目に関しては以下の記事をご覧ください。
では予選2日目から!
予選2日目
challongeを見る限り、2/16(土)スタートの予選2日目はWinners/Loosersともにベスト128から。 初日はほとんどの有力選手がWinners抜けした中で、いよいよ強豪同士の戦いが見られる2日目となりました。
ふ~ど(バーディー/R.ミカ)vsニシキン(ブランカ)
まず序盤の注目試合がこちら。 事前の勝ちたがりTV配信等で猛威を振るうことが予想された、ふ~ど選手のバーディー、通称“ふ~でぃー”。 Vトリガー2「バーディータイム」から繰り出される上段チェーン「ブルスウィング」&下段チェーン「ブルキャプチャー」を絡めた強力コンボで、CAゲージを消費せずとも大量ダメージを奪えるのが特徴です。
さらに地上戦&対空に強いバーディーが、歩きを駆使した間合い管理などふ~ど選手のプレイでさらに強化され優勝候補筆頭ともいえる状況ででした。
だが、ニシキン選手もローリング系の必殺技を駆使して対抗。
ふ~どバーディーがドリンクタイムで缶を転がしてから歩いて詰めつつのEXブルホーンを、EXバックステップローリングで缶を飛び越えつつ潰すといったニシキンブランカの上手さが感じられました。
さらに序盤のドリンクタイムもローリングアタックで隙を逃さず咎め、EXブルリベンジャー(通称“EX不二子”)もバックジャンプで回避。
対空がワンボタンで出せるバーディーに対し、そのタイミングをずらすEXバックステップローリング。 深く詰められたバーディー対策がかみ合った状況で、1セット失ったふ~ど選手はたまらずR.ミカにキャラクター変更しました。
しかし、近付こう、荒そうとするふ~どミカに対し、
ドロップキックの隙を逃さずローリングアタック。 ローリング系のいわば“撃墜ムーブ”を、画面をよく見て的確にこなし要所で攻め立てるニシキンブランカ。
最後も画面端だと射程が伸びるR.ミカのCAも届かず、随時相手の動きを逃さず捉えたニシキン選手の2-0勝利となりました。
この試合、ふ~ど選手の卓越した能力とバーディーという強キャラに対し、ウル4時代から歴を積んできたニシキンブランカのキャラ対を含めた練度の高さが光った戦いともいえます。
ときど(豪鬼)vs パウエル(キャミィ)
そして新たな物語の幕開けを感じさせたのが、ときど選手vsパウエル選手。 昨年EVOJ 2018ではプールで当たりパウエル選手が勝利して周囲を騒がせた組み合わせです。 それがまた2019でも勝てばTOP32という舞台で激突となりました。
パウエル選手は技振り・投げ・スパイラルアローやキャノンストライクなどの必殺技をバランスよく噛み合わせ、キャミィで展開の速い攻めを見せていきます。
ときど選手も画面端に寄せてきっちりCAでフィニッシュを取るシーンもありましたが、
ほんのわずかなCAゲージ確認ミスによるノーマル豪昇龍拳をきっちり咎められ苦戦。
開幕前ダッシュ×2からの投げなど圧をかけ続け、最終ラウンドだけで画面端で5回の投げを決めるという大胆さを見せ2-0で勝利!
この試合だけを見ればどちらがプロでアマチュアなのか分からないほどパウエル選手が圧倒した試合、今後EVOJの風物詩として語り継がれることになるかもしれません。
XIAOHAI(キャミィ)vs YUJIX(春麗)
このように強豪選手が古豪に敗れる試合も見られる中、この日のベストバウトと言っても過言ではない試合が、“驚異の確認精度を誇る中国の天才” vs “まだあまり知られていない注目の日本人若手選手”によって繰り広げられました。
XIAOHAI選手はキャミィの中足Hit確認など、そのフィジカル面での強さが有名な天才と言われて長い歴戦の強豪。その戦績は闘劇07のKOF98優勝にまで遡ります。
一方、YUJIX選手はオンライン対戦ではグラマスの春麗。 第9回格闘ゲーム大学対抗戦や第一回若人杯に優勝するなど、webや配信ではあまり見られませんが注目の若手選手です。
しかし、試合ではYUJIX選手の堅い確実な試合運びが目立ちます。 XIAOHAI選手のこの試合唯一といっていいHit確認ミスを
的確に差して1セット目を勝利。
しかし、その逆と言っていいカウンター確認ミスから次のラウンドを奪われ、そのままセットも失い1-1となります。
最終セット1ラウンド目は、互いに体力ゲージが少ない状況で攻めたい気持ちを抑えたYUJIX選手が
対空ばっちり、
そしてキャノンスパイクをガードして勝利&リーチ。
その後はXIAOHAI選手が起き攻めに対して
執拗に無敵技で返すも、最後はYUJIX選手が暴れ※から投げ、
※暴れ:起き上がりなど相手の連携に対し発生や判定の強い技を割り込ませること
起き上がりの飛びを翼旋脚で落としフィニッシュ!
実は、ジャイアントキリングを為したYUJIX選手は、あのときど選手の後輩(東京大学)です。 少し前のときど選手の個人配信で、オンライン対戦した際にもプレッシャーがかかってる状況で確実にコンボを決めるなど「やるなあ」「弾抜け上手くなってる」「いいプレッシャーかけてる」「読み合い周ってきてる」「なるほどねえ」と、ときど選手も評価していました。
惜しくも次戦の韓国のNL選手との戦いで敗れ、最後はふ~ど選手にLoosersで敗れ敗退となりましたが、今後の活躍が非常に期待されます。
自分の試合見た!
内容はともかく大和さんがすごい話。
素人目でも技術が高いのもすごいけど、試合外のバックボーンを試合内に織り交ぜて熱に変えているのがもっとすごいなと
これって大和さんが1プレイヤーとしてコミュニティが大好きで、そこにどっぷり参加しているからこそできること。→続く— ユージ(yujix06) (@yuji92548882) February 17, 2019
ちなみにYUJIX選手のtwitterはこちら、要チェックです。
MOV(春麗)vs 水派(コーリン)
前半戦としては勿体ないカード。
不利を背負うのも承知で攻めを絶やさないMOV選手に対し、それをEXバニティステップなど的確に跳ね返していく水派選手という図式で試合は展開されました。
徐々にエンジンがかかり攻めも噛み合っていくMOV選手。 しかし、水派選手がMOV選手を勢いづかせる前に、下段からの崩しなど最後は攻め切って倒しきりました。
ももち(コーリン)vs まちゃぼー(ネカリ)
ももち選手いわく「格闘ゲームに対する取り組み方で似た考え方を持っていると思う」という組み合わせが、WinnersのTOP8決定戦で実現しました。
常に戦いは紙一重。 互いにVトリガー発動中の状態では、ネカリの黄金の心臓(5Hitの低速弾)をコーリンが弾無敵の付いたフロントステップで抜けて攻撃するも、
持続の長い黄金の心臓にHitし辛くもネカリが勝利、などギリギリの展開が続きます。
まちゃぼー選手がリーチをかけたラウンドでは、ももち選手は自分の残りHPから相手が弱決起※からフィニッシュに持ち込もうとするであろうこと読み切ります。
※勇猛なる決起:弱中強Kで距離を使い分けて地面から攻撃するネカリの遠隔的な必殺技
冷静にまちゃぼー選手の弱決起を差し返し! CAゲージとダメージの確認も完璧できっちりとコンボで逆リーチをかけます。まさに、極限で勝ち筋が見えている“天才”と呼ばれる戦いぶりです。
この勢いのまま最終ラウンドもももち選手が制し、TOP8へと駒を進めました。 誰もが認める実力者で、本大会から吉本ゲーミング所属のプロ選手となったまちゃぼー選手を破ったももち選手。その快進撃はGRAND FINALまで続きます。
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