2019/8/9~11に韓国・ソウルで開催されたPUBG Nations Cup(以下PNC)、こちらの日本パブリックビューイング(以下、PV)に行ってきました。
来場したのは8/10、11のファンミーティングもある2日間です。 (この2日を選んだのがあまりに幸運なのは観ていた人には分かる)
会場の様子と雰囲気
会場は秋葉原駅の中央口から徒歩3分ほどの「富士ソフトアキバプラザ」、この5Fの「アキバホール」です。
実際に行った上で、迷いようがないロケーションは抜群。 近隣にコンビニもあり、持ち込みOKだったこともあって来場者の方々は飲料や軽食を買いに自由に出入りする(再入場用のリストバンドを着用)カジュアルなイベントでした。
会場はこんな感じです。
客席は約180人収容可能で、各席には電源とLANが設置されています。
電源は使用OKです。 LANに関してはスタッフにお聞きしたところ、使用を想定されてなかったらしくネットワークテスト等もされていないようで不明でした。 実際にノートPCとLANケーブルを持ち込んで試したのですが、残念ながらネットワークは通じませんでした。(事前に利用可能とinfoもしてなく、運営側に何ら問題はないと思います)
来場者数は、目視による概算ですが2日目は70~80人、3日目は130~140人くらいでしょうか。 3日目は事前チケット販売が満員で締め切られたそうで、客席数180に対して関係者席を除いた概算になります。
PUBGの世界的普及度、大会配信の視聴者数、PNCソウル会場の物凄さと比べれば細やかなものです。 しかし、それ故に会場にはアットホームで民度の高い応援する雰囲気があり、非常に居心地がいいイベントでした。
日本チームの活躍があれば歓声と拍手、敗退すればため息。 配信のコメント欄のような残念な声はありませんので安心して過ごせます。
そして、日本チームだけでなく各国の選手のスーパープレイがあれば驚嘆と拍手が巻き起こります。
これが非常に大きい。来場者にPUBG自体を楽しんで応援しようというマインドがあふれている。もちろん参加したかったけど都合が付かずに来れなかった方もいると思いますが、ここにいる人たちが日本でPUBGを観戦して楽しもうとしているイノベーター~アーリーアダプターであることを実感しました。
初日は振るわなかった日本チームでしたが、2~3日目は他国のPhaseに対する早めの動きを研究して対処。 パルスに対するムーブが目に見えて改善され、いわゆる「パルス運」に恵まれた機会にしっかりとドン勝を勝ち取りました!
2日目ドン勝
日本チームドン勝!!
パブリックビューイング会場も盛り上がっています!#PUBG_JP #PUBGNationsCup #JPNWIN pic.twitter.com/cpFenyg4kA
— PUBG JAPAN (@PUBG_JAPAN) August 10, 2019
3日目ドン勝
#PUBGNationsCup
連日で日本ドン勝だああああああああ!!#PUBG_DMM #PNC応援上映 pic.twitter.com/lBbD2BR2TM— 【公式】PUBG_DMM (@PUBG_DMM) August 11, 2019
PCの前でコメント欄を見ながらの感動もなかなかのものですが、同じ意志を持った人たちが集まって得る感動というのはそれを越えるものがあります。 喜んでいる自分の周囲の人たちの声を聴いて、さらに自分も嬉しくなってくるという増幅効果ですね。
野球やサッカーなど会場へ実際に足を運んで楽しむ文化が発達しているスポーツでは当たり前かもしれませんが、PCゲームを扱ったe-sports分野でネット配信から発達した分野では、PVという「オフを楽しむ」カルチャーはより特別なものと言えるのかもしれません。
オフを楽しむ、という点ではファンミーティングの存在もありました。 PVスタート前に壇上に設けられた選手たちの席をファンが訪問し、交流できるというものです。
多くの方が参加しており、ファンの方の積極的な姿が印象的でした。 また、混乱を避けるために丁寧にinfo&整理しているスタッフの方も印象的でした。
他に会場ならではの特典としては、
ファングッズの物販
PJS Grade2配信の実況でお馴染みのシンイチロォさん
おそらく予定にはなかった「GLHF!」の掛け声も!
さらに来場者特典として「PJSノベルティステッカーとWebMoneyカード100ポイント」も配られました。こういった一つ一つが実際に足を運んだ喜びと、リピーターやニューカマーを呼び込むことになるでしょう。
あと、実はPV会場だけの放映と思われる4選手のメッセージ映像もあったんですよ!
今回のPVイベントの“価値”
ややリアルな話ですが、少しだけお金のことを概算しました。
アキバホールの13~21時の使用料金が\575,640-です。 一方、今回のPV参加費は初日が\500-、2~3日目が\1,000-です。
仮に来場者平均が100人/日、参加費平均¥830-として、参加費収入が¥83,000-です。 また、多少は物販収入もあったでしょう。
1日当たり57万と8万、比べるレベルでは無いほどの赤字です。
これにスタッフの方々の工数、ファンミーティング参加選手のためのギャランティや経費(交通費・宿泊費など)、来場特典の配布、チケット予約システム(ZAIKO)使用料などが支出として予想されます。
一方、会場使用料は、この富士ソフト秋葉原ビルにDMM.makeといった合同会社DMM.comのテナントが入居しているので使用料の割引があった可能性もあります。
ただ、多少の差異はあったにしてもこのPVイベントは単体としては赤字に間違いなく、PUBGに対するプロモーションの一環、宣伝広告費用として支出が前提とされていることがうかがえ、それだけDMM.comが、PUBGやPJSに力を入れていると言えるのではないでしょうか。
観戦を楽しむファンとしては、こういったイベントのお得さを享受しつつ配信も楽しむのが通と言えるでしょう。
よりオフイベントを充実させるなら?
上記の通り、今回のPVは経費的には十分すぎるレベルのものです。 その上で「こうすればより満足度が広がる」という点を僭越ながら挙げさせていただきます。
MAP配信、オブサーバー配信の放映
オブザーバー配信については、今回のPNCではわざわざ日本チームオブザーバー視点の配信があったので「特別な別配信があれば」と解釈してください。
PUBGのスタンダードな配信は、神視点に実況&解説が付いたものです。画面切り替えや実況により各チームのMAP上のムーブが伝えられます。
そしてご存知の方も多いと思いますが、同プラットフォーム内の別チャンネルでリアルタイムに「MAP配信」が行われています。
メイン配信で各チームのムーブやファイトを楽しむだけでも面白いのですが、その間にどのチームがどんなムーブをしているのかを確認するのもかなり面白い。これがMAP配信です。
今回、自分はノートPCやスマホでMAP配信を自力で見ながらPVを楽しみました。
最後まで楽しみました、日本は頑張れば8位以内見えてたので惜しかったな~
総合&モスキルはロシア&Uberかな? 韓国を捲ったのはスゴい。
今後はPKLやPELもチェックした方がいいかも。
2日間参加しましたがPGNCの日本パブリックビューイング、楽しかったです。#PUBGNationsCup pic.twitter.com/kNB7ISfgwR— じく@フリーライター (@K_Jikuhara) August 11, 2019
(UberでなくUbah選手、すみません)
これを、わざわざ来場者が用意しなくても会場にモニターを用意して放映すれば、かなりオフ会場のお得さが増すのではないでしょうか。
と、そこまでするのが大変ならば、スマホやノートPCなどの端末は自前なのを前提として「会場でのフリーWi-Fiの提供」「MAP配信URLのinfo」をするだけでもOKではないかと。 今回のアキバホールでLANも使用できたら、電源&webフリーでまさに神会場だったでしょう。
ファンミーティングの多様化
今回のファンミーティングは、場所と時間を提供して自由に交流できるものでした。 これはこれで良いと思うのですが、対面して直接話をすることのハードルが高いファンの方もいるかもしれません。
そういうった来場者のために、簡単なトークショーや質疑応答コーナーを設けるとオフ会としての付加価値が高まったのではないでしょうか。 今回の日程で言えば、初日~2日目の大会内容について2~3日目のスタート前に選手視点で語ってもらうだけでかなり興味深い。
PUBGはe-sportsの中でも他のゲームに劣らずstats関連の集計や発表は充実していると思います。 しかし、プレイに対する後の検証や振り返りが充実しているとまでは言えません。 PJS本配信では終了直後のプレイバックが行われていますが、その場での検証にも限界があるでしょう。
そこに選手たちによる振り返りがあれば、観戦者側もより深く大会配信を楽しめます。
例として、Datonation Gaming WhiteのMelofovia選手が配信している配信などは、チームの戦略や地形や建造物から分かる射線の有無などを解説してくれてとても勉強になります。
それにそこまで細かくなくても「なぜあそこで南回りを選択したのか」「あそこで韓国チームに突貫をしかけたのはなぜか」などの意図が分かるだけで、プレイや選手個人に対する関心がより深まります。
e-sportsがより関心を集めるには、選手のタレント化が必要でしょう。それは見世物や道化といったネガティブな意味でなく、選手個人に対するファンの増加がチームやプラットフォーム・ゲームの繁栄につながるということ。
さらに言えば、プラットフォームやゲームは経年と共に変化せざるを得ないのがe-sportsの特徴です。野球やサッカー、囲碁や将棋のように活躍の舞台が変わらないのであれば“業界全体”を強く意識しますが、e-sportsの場合は選手個人やチームへのロイヤルティを高めることが今後につながりやすいのではないでしょうか。
そういった点からも、こういったオフイベントはファンの積極性を問わずに選手個人の魅力を感じられる仕掛けを施すのが得策ではないかと考えます。
PVイベントとしては、最近ではMリーグ(麻雀)などは参考になります。 1ドリンク付き¥4,000-というかなりの客単価ですが、ほぼすべてのチケットが完売です。 放映前後の交流イベントも充実して物販コーナーの盛況は相当なもので、麻雀の配信でここまで盛り上がるの!? と驚くこと請け合いです。
以上、DMM.comという大企業ならそんなことは当然分かっているというレベルですが、一ファンとして考えたところを挙げさせていただきました。
こんなTwitterアンケートもありましたので、今後のイベント開催や充実も期待しています。
〆として、抽選に当選したらPJS season4の観覧にも行こうと思います。 その際は、またその様子もレポートできればと。
PVとは異なる選手たちが戦う姿と声を楽しめればと。外れたら素直に自宅で楽しみますw
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