PUBG NATIONS CUP、略して「PNC」。
PNCとは、2017年にKRAFTONよりリリースされたPC版「PUBG: BATTLEGROUNDS」(旧名: PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)の国別対抗戦です。
プレイヤーがフィールドの中で生き残りをかけて戦うバトルロイヤルゲームです。敵を倒すことがゲームの主目的ではなく、時間経過とともに狭くなる安全地帯の中で最後の一人になれば勝利となります。
PUBG Esportsでは4人チームによって争われ、現在はキル数と生存順位によりポイントが計算される「S.U.P.E.R.ポイントルール(通称:スーパールール)」が適用されています。
約3年ぶりとなるPNC2022の開催
PNCは各地域のベストプレイヤーによって編成された16のナショナルチームが1箇所に集いオフラインで雌雄を決する、いわばPUBG Esports界のワールドカップです。
e-sportsがプレイヤー個人やプロチームにより競われる大会が多い中、ファン投票や選手間投票によって選ばれた代表チームによる大会は貴重で、ファンにとってもより応援しがいのある大会となります。
第1回PNCが開催されたのが、2019年8月韓国・ソウル。
そこからみなさんご存知のCOVID-19の影響もあり、2022年6月に約3年ぶりとなるPNC開催となりました。
賞金総額は50万ドル(約6500万円)+ゲーム内アイテム売り上げと大規模な大会であり、選手だけでも同時に64名が一堂に会するシーンはPUBGならではと言って間違いありません。
※2019年PNCパブリックビューイングの様子はコチラ(当時の筆者による記事です)
開催地となるタイ・バンコクには16ヵ国の代表たちが集い(中国のみオンライン参加)、会場となるICONSIAMの7階「TRUE ICON Hall」はPUBGの祭典にふさわしい豪華なセッティングで彩られました。
そして何より念願のオフライン大会! 現地タイのファン達による声援が選手達へ、そして配信を通して世界のPUBGファンへ届く姿は感慨深いものがあります。
日本からだって応援したい!
COVID-19の影響や、そうでなくても現地海外まで応援しに行くのは至難の業。もちろんそのための公式配信もあるわけですが、もし他のファンたちと一緒に応援できるなら楽しさは倍増します。
そのために何と、PUBG Esportsにより日本ではパブリックビューイングが開催されました!
会場は東京都・秋葉原の「e-sports SQUARE」で、PNC2022の後半2日間6/18~19にかけてです。
筆者はその最終日となる6/19に、開場から終了間際の0時過ぎまで取材させていただきました。
……って取材と言っても、PUBG観戦ファンボである自分が楽しみたいだけかも?
ここまでPUBGやPNCを知らない方のために堅い説明となりましたが、ここからはパブリックビューイング会場の様子をお届けします。
イースクで楽しむPUBG観戦
e-sports SQUARE、通称「イースク」は秋葉原駅から徒歩で5分ほどの好立地で、eスポーツイベントに特化した会場には配信機材・音響・照明、イベントに必要な機材や豊富な知識と柔軟さを兼ね備えたスタッフが揃っています。
▲プレベア隊長もPNC2022応援!
そんなイースクで開催されたパブリックビューイングは快適なものでした。
フロアに適度な感覚で椅子が設置され、サイドのカウンター席も含めて自由に観戦場所を選べます。
モニターは正面の大型ビジョンだけでなく各所にも設置され、自分に合ったスタイルで気楽に観戦を楽しめます。途中入場・退室も自由、気楽に出入りできるコミュニティスペースといった感じです。
筆者は他のファンの方の邪魔にならないようノートPCでMAP配信を見ながら後方の席で観戦していましたが、入場時に配布された応援用バルーンを両手に熱烈な応援を贈るファンの方々が席を埋めていました。
そしてパブリックビューイングと言えば、公式配信に映される!
恥ずかしがっても仕方ない。ときおり本配信に挿まれるパブリックビューイング会場の様子として、参加者の方々は全世界に向かって己のPUBG愛をアピールしていました。
そして会場には、みなさんご存知のアノ人も!?
前日まで公式配信キャスターとして出演されていたOooDaさんが、何とパブリックビューイング会場に登場! お仕事帰りで忙しい中、写真撮影にも応じてくださいました。
他にも会場にはDidoさん、RintoXDさん、山内隼鷹さんの姿も。さらに多くの選手や関係者の方も来場されていました。
でも、お高いんでしょう?
今回のパブリックビューイングは、事前申し込みによる抽選に当選した方が参加できました。
そんな幸運に恵まれた方にはまず、
入場時にPNC2022記念Tシャツと応援バルーンをプレゼント!
筆者が会場に着いた時には、すでにそのTシャツに身を包み両手バルーンの臨戦態勢な参加者も見受けられました。
さらに、参加者にはPredator Gamingによる「ガラポン抽選券」が配布され
ハズレ無しでもれなくグッズをプレゼント!
さらにさらに、インターバル中にはジャンケン大会も開催され
勝利者には、PUBGグッズや当日の公式配信担当キャスターであるシンイチロォさんのサイン色紙をプレゼント!
そして、その場で写真を撮ってSNSに投稿すればもらえる
辛ラーメンやmeiji アーモンドチョコレート/マカダミアチョコレートもズラリ!
ちょっとこんな大盤振る舞いしちゃっていいんですかPUBGさん……と心配になる勢いのファンサービスの数々。
これにはもう、プロモーションを超えたPUBG愛を感じずにはいられませんでした。
あ、言い忘れましたが今回のパブリックビューイングは全て「無料」です。
日本チームの姿と来場者の様子
PNC2022での日本チームは、2ドン勝の12位でした。惜しくも前回PNC2019の11位には届きませんでしたが、今回も2回のドン勝で日本のファンを熱狂させました。
2日目のドン勝は不利な安全地帯の状況を際から切り拓き、オーダー・連携・エイムの全てが光った文句なしの勝利。
3日目のドン勝は市街戦が予想される安全地帯にいち早く対応して有利なポジションを確保し、最終的にはショットガンの応酬となる近接戦を制してのものでした。
▼プレベア隊長のtweetより3日目ドン勝の会場の様子
筆者がパブリックビューイングに参加した最終日はドン勝こそ無かったものの、キル獲得や集団戦の勝利時には熱い歓声が挙がりました。
でも、やっぱりドン勝でみんなと盛り上がりたかった! 昨日の参加者がうらやましい! というのが正直なところ。スーパールールで総合的な実力を争うのが競技シーンですが、最後まで生き残る「ドン勝」がPUBG最大のカタルシスであることは変わりません。
ここからは筆者の主観になりますが、このパブリックビューイングに参加している方々の多くは、おそらくこれまで観戦や応援を続けてきた歴戦の猛者たちです。いわば、「面構えが違う」ってやつです。
いかに世界の強豪がえげつないエイムと脅威的な判断で立ちはだかり、国際大会での活躍やドン勝が難しいか分かっています。
もちろん応援するチームが全滅ずれば残念ですが、そんな時の切なさやため息を共にするのも「鍛えられたファン」というものです。
だからこそ、こういったオフラインのパブリックビューイングという場で感情を共にする嬉しさが込みあげてくるのを感じました。
パブリックビューイングの開催意義
もちろん、こういったイベントはPUBGというゲームやPUBG Esportsのプロモーションが最大の目的であることは間違いありません。
ただ今回のパブリックビューイング開催も含めて、それだけではない冷めることのないPUBGへの熱のようなものを運営から感じます。
そこで後日となりますが、当日の運営を担当されたウェルプレイド・ライゼスト株式会社(WPRZT)の清水プロデューサーにコメントをいただきました。
──PNC2022開催に合わせて、今回もパブリックビューイングが開催されました。会場にe-sports SQUAREが選ばれた理由も含め、その動機をお聞かせください。
清水P:今回約3年ぶりに戻ってきたPNCが、PUBG Esportsとして2年半ぶりにオフラインの有観客で開催する大会となりました。
前回大会となる2019年のPNCでは日本代表チームが2回ドン勝を獲得し、また日本でもパブリックビューイングを開催しとても多くのファンの皆さんが楽しんでくださいました。
今回のPNCでもファンの皆さんが久々のオフライン大会を画面越しでなく、少しでも現地と同じような熱量を持って楽しめるようにパブリックビューイングを準備致しました。
また今大会が行われたタイ・バンコクは日本と2時間の時差があり放送終了時間は終電が無くなる事を懸念しまして、ファンの皆さんに配信の最後まで観戦頂ける様に弊社が運営を行っている駅からも近く立地の良いe-sports SQUAREにて実施をさせて頂きました。
──今回のパブリックビューイングがどのような企業・団体が主体となって運営され、また協賛していただけたかお教えください。
清水P:今回のPNC2022日本語配信及びパブリックビューイングはPUBG JAPAN株式会社が主催、ウェルプレイド・ライゼスト株式会社が放送制作・運営を担当しました。
そして長らくPUBGの競技シーンをサポート頂いているPredator(日本エイサー株式会社)様には日本語配信にご協賛を頂き、辛ラーメン(株式会社農心ジャパン)様、そして株式会社明治様にはパブリックビューイングでの商品提供のご協力を頂きました。
挙げさせて頂いた各協賛社様のご協力の元、ご来場頂いたファンの皆さんに今までの感謝の気持ちをお渡しすることが出来て凄く嬉しく思います。
──清水さんはPJS(PUBG JAPAN SERIES)の時代から運営の立場として、PUBGの競技シーンに関わられていると思います。その歴史を知る者として、当時から現在に至るPUBGやFPS界の変化をどう感じられていますか? そして、今後への想いを是非お聞かせください。
清水P:PJS ~PJC初期までは別のプロデューサーが担当をしており、そのサポートとして関わっていました。
今年からPJCのプロデューサー業を魂と共に受け継ぎ、シーンに関わらせて頂いております。
今現在もPUBGの競技シーンはPUBGを愛する選手・チームの皆さん、多くのファンの皆さん、そして選手・チーム・ファンを応援して頂いている協賛社様に支えて頂いております。
PUBGの競技シーンが世界・国内で始まり4年以上の月日が流れましたが、今回のPNC2022をご覧頂いたら分かる通りまだまだPUBG競技シーンの熱量は他タイトルに負けません。
これから先も多くの感動と熱狂を皆様に届けられる様に動いて参ります。
以上、清水プロデューサーにはお忙しい中ありがとうございました。
この記事の意図として何より「パブリックビューイングに来れなかった方に会場の様子をお伝えしたい」というものがありました。
そして長年FPSの競技シーンを牽引しているPUBGの久しぶりのオフラインイベントとして、その背景や開催意図、あとちょっとだけ筆者自身の想いも含めて記事にできればと思った次第です。
すでにPJC Phase2が始まり、次回のPCS・PGCも予定されています。また今回のようなオフラインイベントが開催されることを祈りつつ、引き続きPUBGの競技シーンを応援していきましょう!
PNC2022日本語配信(動画・アーカイブ)
twitch:PUBGJAPAN
youtube:PUBG: BATTLEGROUNDS JAPAN
PNC2022エンディングムービー「PNC2022│PUBGEsportsは終わらない」
※字幕アリでの視聴をお勧めします。
©2022 KRAFTON,Inc.
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDSとPUBGはKRAFTON,Inc.の登録商標です。
文章・取材:じく
ゲーム会社で16年間、マニュアル・コピー・シナリオとライター職を続け2018年末に退職、2022年3月にフリーライターとして独立。
e-sports大会や配信をこよなく愛し、今回の記事も仕事抜きで書かせていただいています(でも、お仕事として書かせてもらえればちょっと嬉しい)。
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